「うん」と「う~ん」は、字面も響きも似ています。
しかし、意味はまったく異なるので注意が必要です。
場面によっては、誤解やトラブルのもとになることもあります。
これは日常会話に潜む注意すべきポイントの1つです。
首を縦に振る「うん」は、承諾・肯定という意味です。
「イエス」という意思表示として明確なので、ほとんど誤解の余地がありません。
首を縦に2回振る「うんうん」なら、ますます意味が明確です。
首を縦に振る「うん」に関して、トラブルが起こることはほとんどないでしょう。
一方で問題となりやすいのが、ため息交じりの「う~ん」です。
一見すると「悩んでいる」「困っている」といった印象を与え「イエス」でも「ノー」でもない曖昧な返事に聞こえます。
ところが、後になって本人が「あのとき『うん』と言ったじゃないか」と言い出すことがあります。
これは紛らわしいです。
たしかにため息交じりの「う~ん」は、受け止めによっては、承諾・肯定の「うん」に聞こえなくもありません。
うつむきながら「う~ん」と言われると、うなずいているようにも見えてしまい、ますます曖昧です。
どちらの意味にも取れます。
ここで「承諾した」「聞いていない」といった認識のずれが生じて、思わぬトラブルに発展することがあるのです。
こうした誤解を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
「うん」「う~ん」の一言だけで会話を終わらせず、補足の言葉を添えることが大切です。
たとえば、承諾・肯定の意味なら「うん、わかりました」「うん、ぜひお願いします」といった一言を添えましょう。
悩んでいる意味なら「う~ん、まだわかりません」「う~ん、もう少し時間をください」といった一言を添えましょう。
補足の言葉を添えることで、相手に伝わる意図がぐっと明確になるのです。