目上の人と面会するとき、下調べを一切しないで会いにいく人がいます。
自分から「お会いしたいです」とお願いして、機会をいただいたにもかかわらずです。
彼ら彼女らの言い分は次のようなセリフです。
「素人目線で質問したいので、あえて何も下調べしていません」
「真っさらな頭で質問したいので、下調べはスキップしました」
「余計な思い込みがあるといけないので、プロフィールや経歴などは確認していません」
たしかに事前に下調べすることで、いろいろな予備知識が入ってきます。
知れば知るほど詳しくなり、純粋な思考を邪魔することもあることもあるでしょう。
時には衝撃的な事実を知ることとなり、驚かされることもあるはずです。
相手について下調べをするうちに偏見や先入観が生まれ、それが面会に悪影響を及ぼす心配も出てくるかもしれません。
入念な下調べをすることで、純粋な思考を邪魔する可能性があることも事実です。
しかしだからといって、下調べゼロで面会するのはよくありません。
それは目上の人に対して失礼です。
最もらしい言い分に思えますが、結局のところ下調べが面倒なだけです。
それなりの理屈をつけて、自分の怠慢を正当化させています。
下調べゼロで面会すると、相手は自己紹介から始めなければいけなくなり、手間暇がかかります。
目上の人は「なぜ私がわざわざ話さないといけないの?」と眉をひそめ、中座をしたい気持ちに駆られるでしょう。
調べればわかるような質問をしないことです。
目上の人は、貴重な時間を割いて会ってくださっています。
目上の人であればあるほど、1分1秒が貴重です。
こちらから「お会いしたい」とお願いしたのなら、しっかり下調べしておくのが欠かせません。
OB・OG訪問をするなら、事前に企業情報をしっかりチェックしておくことです。
企業のウェブサイトを隅から隅まで目を通して、プロフィールの詳細まで把握に努めます。
著名人と面会するなら、相手のプロフィールや経歴をしっかりチェックしておきます。
出版している著書があるなら、可能なかぎり読み込んでおきます。
作品数が多くてすべて読むのが難しければ、せめて代表作だけでもチェックしておくことです。
ばったり会って話すときは別ですが、わざわざ面会の機会をいただいたなら、下調べは必須です。
時間の許すかぎり、徹底的に下調べを行いましょう。
とことん調べて尽くして、相手のついての予備知識を「これでもか!」というほど頭に叩き込んでおくことです。
詳しく調べておけばおくほど、面会の冒頭から突っ込んだ質問ができるようになるため、話が早く進みます。
「よく調べてきているではないか!」と感心した相手は、下調べの努力の見返りとして、特別に秘密を話してくれるかもしれません。
「素人目線になるため」「真っさらな頭でいるため」「思い込みを避けるため」などの言い訳は禁句です。
初めて訪問する企業があれば、きちんと下調べをするのがビジネスマナーですが、これは目上の人に対しても同じことです。
目上の人に面会の機会をいただいたなら、しっかり下調べをしたうえで会いにいきましょう。