世の中にはすぐ顔に出る人がいるものです。
不快なことがあると、すぐむっとした表情になります。
ちょっとでも気分を害すると、すぐ眉をひそめ、口角が下がります。
本人に悪気はなく、無意識であることが大半です。
「すぐ顔に出ちゃうんだよね」と申し訳なさそうにしていることもしばしば。
その人の性格もあって、自然と顔に出てしまう人がいるものですね。
しかし、すぐ顔に出ることは一概に悪いことではありません。
むしろ逆です。
とてもありがたいことなのです。
私たちの人間関係では、相手の表情・態度・雰囲気などから、心情を読み解くスキルが求められます。
察する力を磨くことは、簡単にできることではなく、ある程度の経験が必要です。
さまざまな人間関係を通して「こんな態度・雰囲気のときはこう感じているのだろう」というパターンを身につけていきます。
場数が必要であり、一晩で身につくものではありません。
察する能力は高度なスキルであるため、いつも当たるとは限りません。
時には外れてしまい、慌ててしまうことも少なくありません。
世の中には感情を隠すのが上手な人がいます。
むかむかしていても顔に出さない人がいれば、嬉しいときでもポーカーフェイスの人もいます。
「怒っているにもかかわらず笑顔を見せる」という逆パターンの人も少なくありません。
感情と表情が一致しないパターンはよくあることであり、ここに人間関係の難しさがあります。
顔に出さない人であればあるほど、心情を察する難易度も高くなって、付き合いに神経を使うことになるでしょう。
人の心情を察するのは、ある程度のスキルと経験が求められるのです。
そうした人に比べて、すぐ顔に出る人はなんて楽なのでしょう。
一目で相手の心を理解できます。
表情と感情が一致しているので勘ぐる必要もありません。
きちんと表情に出してくれると、付き合いが楽になります。
取っ付きにくいどころか、むしろ取っ付きやすいのです。
すぐ顔に出る人は、不快の感情だけでなく、快の感情も表に出ます。
楽しいときは、にこにこして満面の笑みを浮かべてくれるでしょう。
悲しいときは悲しい表情をして、嬉しいときは嬉しい表情をするでしょう。
相手の表情から、喜怒哀楽が一目で確認できます。
察する必要がないので、これほど楽なことはありません。
すぐ顔に出る人を悪く言ってはいけません。
すぐ顔に出してくれることに感謝することです。
すぐ顔に出る人は、見方を変えれば「素直な人」「正直な人」です。
感情が顔に出やすい分だけ、付き合いが助かります。
相手の感情を一目で確認できることほど、楽でありがたいことはないのです。