才能を生かすことを想像するときには、まずコップの水を想像するとわかりやすくなります。
才能を見つけ、磨く段階というのは、まだコップに水をため続けているという段階です。
才能を磨く段階と生かす段階との境界線は、曖昧です。
自分は活用する段階だと思っても、ほかの人から見ればまた磨くべきだと思われることがあります。
自分はまだ磨く段階だと思っても、他人から見ればもう活用すべき段階に十分入っていると思われるときもあります。
「今の才能を活用すべきか。それともまだ磨くべきか」
この曖昧な境界線を区切るのは、自分に心の満足がどのくらいあるかで決まるのです。
十分に才能を楽しみ、満足しきっている状態は、いわばコップに水がいっぱいにたまり、あふれ出ている状態です。
満足とは、コップの水が満たされきっているということです。
いっぱいになっているにもかかわらず、まだ水が入り込んでくるなら、当然コップから水がどんどんとあふれ出てしまいます。
そんな状態なら「才能は活用すべきですよ」というサインです。
嬉しい楽しい気持ちが心の中に十分に満たされており、本人は幸せでもう飽きがきているということです。
しかし、その一方で、コップの水がまだいっぱいになっていない状態もあります。
「まだまだ満足ではなく、もっと楽しみたい」「まだやりたいことがたくさんある」という気持ちのときです。
本人の心の問題であり、満足ではなくもっと嬉しい楽しいという水を、コップの中につぎ込みたいときです。
当然まだコップの水は、いっぱいではない状態です。
こんなときはまだ磨く段階であり、活用する前に本人の気持ちが十分に満たされるまで、さらに磨きをかけて楽しむことが大切です。
「まだ十分に楽しみきっていない」というほうがぴんとくるかもしれませんね。
もっと楽しんで遊びきってから多少の飽きがきて、分け与える余裕が出てきたときに「人のために活用してみよう」と思います。
才能そのもので磨くと活用を区切るのは難しく、本人に満足があるかないかで決まるのです。
「もう遊びきった。楽しみきった。次のステップに移りたい」というときには活用の段階です。
「まだまだ楽しみが足りない。もっとトライしたい」というときはまだまだ磨く段階ということです。
活用する段階に入る前に、まず自分の気持ちを振り返ってみましょう。
もう十分に楽しみきりましたか。
嬉しい、楽しい、満足で、コップの水がいっぱいであふれていますか。
そうなって初めて「人のために活用しよう」という気持ちにたどり着くのです。