私は文章を書くときには、あるポイントをいつも意識しながら書き始めています。
これを意識しないことには、うまく書き始められません。
そのポイントとは「誰のために書くのか」という意識です。
自分の好きなことをだらだらやるだけなら特別に意識する必要もありません。
しかし、誰かの役に立ててもらおうという前提で始めるとなると、当然、対象も意識しないといけません。
以前はただ書いていただけなのですが、対象を明確にしていなかったため軸がぶれ、抽象的な作品になっていました。
誰に向かって書いているのかわからない、曖昧な内容でした。
しかし、役立てるということは、対象となる人がいるはずです。
対象を想像しながら書くと、かなり具体的に書けるようになったのです。
絵を描くときにも対象が明確になっているほうが、具体的に描けます。
恋愛について書いているときには、恋愛に悩んでいる人を想像しながら書きます。
自分にも恋愛の経験があるだけに、そのときの心情や苦しみを想像すると文章が書きやすく、読みやすくなるのです。
過去に恋愛に苦しむ自分に語りかけるように書いてみると、内容が具体的になり語りかけに強みが出てきます。
抽象的な表現はもやもやしすぎてイメージが湧きづらく、読み手にとってもためになりません。
「空に雲が浮かんでいます」という表現より「空に車の形をした雲が浮かんでいます」という表現のほうが、具体的です。
これは、文章に限った話ではありません。
花を生けるとき、絵を描くとき、料理を作るときも、同じです。
まず「誰のために」を意識していれば、具体的な作品が出来上がるのです。