睡眠時間の重要性に気づいたのは、大学受験のころでした。
当時、浪人中だった私は、なんとしても次こそは合格する意気込みでいっぱいでした。
もう絶対に受験に失敗したくない思いから、当時、私は、できるだけ睡眠時間を短くしようと心がけていました。
理由は単純です。
寝る時間が短いほど、起きている時間が長くなり、勉強時間に回せるだろうと考えていたからです。
成績がいい人は、睡眠時間が短いからに違いないと思っていました。
受験時代だからこそ、そうした考え方に偏っていたのかもしれません。
しかし、それからが悪夢の始まりでした。
睡眠時間が短いほうがいいと思っても、現実は思うようにいきませんでした。
元気も出ない。
やる気も出ない。
頭が回らない。
表情が悪くなる。
疲れやすい、目が痛い、集中力が持続しないなどです。
悪いことを挙げれば、切りがありません。
睡眠時間が短いほど、うまくいくどころか、うまくいかなくなりました。
そんな中、ついに異常事態が発生します。
髪の毛が、ぼろぼろ抜け始めたのです。
片手で髪の毛を強く握ってみると、20本以上の髪の毛が抜けてしまいます。
「これは、大変だ!」
さすがに、驚きました。
すぐ薬局に飛び込んで、育毛剤を買ったことがあります。
今でこそ笑い話にできますが、当時の私は「このまま自分は、はげてしまうのではないか」と本気で悩みました。
明らかに、体に異変が生じ始めていたのです。
そこで今度は、思い切って逆のことをしてみたのです。
徹底的に、寝るようにしてみました。
目覚まし時計は使わず、自然に起きられるまで徹底的に寝てみました。
睡眠時間が十分になるように心がけてみました。
するとです。
今までの苦労が、嘘のように消えていきました。
元気も出る。
やる気が出る。
頭が回りやすくなる。
表情が明るくなる。
疲れにくくなる、集中力が持続しやすくなるなどです。
もちろん異常な抜け毛もなくなりました。
一転して、調子が良くなったのです。
このときの経験から、睡眠の重要性について、身をもって体感しました。
もちろん睡眠時間が長すぎるのも問題ではありますが、短すぎるよりはましです。
睡眠時間は、充電する時間であり、回復する時間です。
デジタル化の社会が進み、スピード重視の現代において、睡眠を軽視しつつある風潮があります。
いま一度、その認識を改めるべく、睡眠の重要性を整理することにしたのです。