執筆者:水口貴博

物を持たない30のシンプル生活

23

自分が必要だと思い込んでいるだけ。なくなっても困らない。

自分が必要だと思い込んでいるだけ。なくなっても困らない。 | 物を持たない30のシンプル生活

あなたの部屋の中にはごみであるにもかかわらず、ごみとして見えないものがたくさんあります。

まず「必要ない物」や「いらない物」は、ごみとしては当然です。

しかし、写真やビデオなどといった思い出の詰まったものも、実はごみの1つなのです。

必要ないのに必要だと感じてしまう、厄介な物の1つです。

思い出の物も必要がなく、いらない物の1つです。

あるほど、過去を振り返る癖がついてしまい、後ろ向きになってしまうからです。

「昔はよかったな。それに比べて今は……」

過去を懐かしんだり悔やんだりすることはあっても、日常生活にどうしても必要でしょうか。

なければ生きていけないものでしょうか。

今ではカメラで写真を撮ることが当たり前になっています。

カメラが発明される前の人たちには写真という存在さえありませんでした。

写真がないと寂しく生きていけないと言う人がいます。

しかし、写真がない時代の人たちは問題なく生きることができていました。

はるか昔、カメラも写真もない時代というのがありましたが、生活に苦労をした話は聞いたことがありません。

記憶は、すべて心の中にしまうことで生活を送っていたわけです。

それで十分に事足りていました。

たしかに写真やビデオがあると、昔を回想しやすくなり、懐かしい気分に浸れます。

しかし、そうしないとどうしても生活ができないわけではないのです。

むしろ知らず知らずの間にそうした写真やビデオたちが自分たちの生活を縛っていることに気づかなければなりません。

過去を振り返る癖が身につき、いつの間にか今を一生懸命に生きるより過去を懐かしむことばかりを考えます。

いつも記録を残そうとしていると、まさに今目の前で起こっていることに集中できなくなってしまうのです。

常にカメラを持ち、その瞬間を後からもう一度見たいと必死になってシャッターを切ります。

でも、本当は、その瞬間の出来事はその瞬間だけ味わえばいいのです。

後から何度も見たところで何か大きな実りがあるわけではありません。

それより実際のその瞬間に集中できなかったことを残念に思うことです。

同じ瞬間は二度とやってきません。

私たちには、忘れるという神様から与えられた能力があります。

忘れる能力は人間にとって必要だから、神様が前もって与えてくれています。

嫌な出来事もいつまでもそれだけが頭の中を占拠していては、次のステップを踏めなくなります。

いつまで経っても頭の中が1つのことでいっぱいというのは、危ない状態です。

次の新しい思考ができなくなります。

神様はそうならないために人間に「忘れる」という能力を与え、思い出は心の中に、常に頭の中を空っぽにするようにしました。

そうすることで常に目の前のことに集中でき、真剣に取り組むことができるようになったのです。

そんな忘れるという神様から授かった能力をわざわざカメラやビデオで阻害してしまうと、どうなるでしょうか。

神様が恐れていた過去ばかりを振り返るマイナス思考な人間となってしまうでしょう。

神様から授かった、忘れる能力を十分に活用するためにも、写真やビデオは少なからず邪魔なものであり、いらない物になるのです。

部屋の中にたくさんの写真がある人に限って、昔のことばかりを思い出しては、ため息をついています。

目の前にあるのは常に今、やってくるのは常に未来です。

過去はどんなにお金を出して努力をしたところで、二度と戻ってきません。

写真を見て、昔のことをわざわざ思い出すエネルギーがあるなら、別のことに使いましょう。

今、目の前にある現実に一生懸命になったほうが、神様ははるかに喜んでくれます。

写真は、知られていない必要ないものだったのです。

物を持たないシンプル生活(23)
  • 写真を捨てる。
「借りること」を前提に生活すれば、必ず部屋はすっきりする。

物を持たない30のシンプル生活

  1. ごみを捨てると、生活が向上する。
  2. 本人がごみだと気づいていないごみがある。
  3. 「誰かにあげることができないか」と、考えてみる。
  4. 「いつか使うかもしれない物」に限って、一生使うことはない。
  5. ほとんどの物はレンタルできる。
    個人があえて持つ必要はない。
  6. ブランドばかりをたくさん持とうとするのは、自信のなさの表れ。
  7. 物に囲まれすぎてしまうと、人間ではなくなってしまう。
  8. 一番の物だけを持てばいい。
  9. 一番の物だけは、複数持つことが許される。
  10. 整理整頓の基本は、机の上から。
  11. 「使うか使わないか」を基準に考えよう。
  12. 友人が持っている物を、わざわざ持つ必要はない。
  13. 100パーセントの収納が、100点の収納ではない。
  14. 手紙や年賀状は、捨ててもいい。
  15. 捨てるときの心の痛みは、勉強代だと考えよう。
  16. 中途半端な物は、出番も中途半端。
  17. 物を捨てないと、集中ができない。
  18. 1つが捨てられなくても、まとめてなら捨てることができる。
  19. 記念品は、心にしまう。
    わざわざ部屋に残さない。
  20. ごみ捨てをしないと、ごみが部屋の住人になってしまう。
  21. 自分らしい部屋にするなら、模様替えや装飾よりごみ捨て。
  22. 他人に捨ててもらうと、捨てられる。
  23. 自分が必要だと思い込んでいるだけ。
    なくなっても困らない。
  24. 「借りること」を前提に生活すれば、必ず部屋はすっきりする。
  25. 旅先で買えるものを、わざわざ持たない。
  26. 使わないのにもらうことは、ごみをもらっているということ。
  27. 貧乏性は、病気と言ってもいい。
  28. 新しい物を買ったら、古い物は捨てよう。
  29. 捨てる力を身につけると、置く場所と捜す時間を節約できる。
  30. 最後に残った物が、本当に必要な物。

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