幼いときは、本音だけ言えば、大丈夫でした。
思ったことを、そのまま口にするだけで、大人たちは許してくれました。
しかし、小学生になれば、本音だけではうまくいかないことに気づきます。
本音のほかに、建前が必要になるのです。
建前とは、何でしょうか。
建前とは、その場をスムーズにするための、小さな嘘です。
嘘はいけませんが、本当のことを言うと、人間関係では小さな嘘が必要です。
たとえば、誰かに食事を作ってもらったときです。
おいしくないと思っても、正直に「おいしくない」と言うのはよくありませんね。
食事を作った人の心を、傷つけてしまうでしょう。
こういうときは「変わった味ですね」と言い換えるのが、ポイントです。
顔かたちの整っていない人を見て「うわっ、あなたはかっこ悪いですね」と言うわけにもいきません。
その人は怒ってしまい、人間関係にひびがはいるでしょう。
こういうときは、本音は隠して、あえてルックスの話には触れない心がけが必要です。
何でも本音を言えばいいとは限りません。
わざわざ相手に合わせるのは面倒だと思いますが、人間関係に必要な技能です。
建前を身につけることで、人間関係がスムーズになるのです。