私がアメリカに留学していたころに気づいたのは、欧米人の体臭についてです。
あくまで私の経験からの感想ですが、アメリカ人は日本人より体臭の強い人が多いと思います。
アメリカのバスや地下鉄には、独特のにおいが漂っています。
アメリカ留学中、バスで黒人の隣に座ると、独特の体臭をよく感じたものです。
においから察すれば、おそらく「わきが」です。
「うわっ。くさい」と感じた経験は、数え切れないほどあります。
清潔感の欠如は、本人の生活の乱れによるものですが、わきがは違います。
わきがの原因は、体質です。
わきがは、アポクリン腺から出る汗に、においやすい成分がもともと含まれています。
わきがの原因になるアポクリン腺の数は「個人差」があるのですが、それ以上に「民族差」があります。
アジア人は一般的に、アポクリン腺が少ないため、わきがの人口割合が低いです。
一方、欧米人は、アジア人よりアポクリン腺が発達しているため、わきがの人口割合が高いのです。
統計によると、日本人のおよそ10パーセントがわきが体質である一方、欧米人は80パーセントがわきが体質といわれています。
ちなみに、黒人の場合、ほとんど全員がわきがであるといわれています。
不思議なのは、ここからです。
日本人より、アメリカ人のわきがの人口割合が多いわけですから、体臭の話題も多いのではないかと思います。
しかし、意外なことに、体臭の話題はほとんど出ないのです。
私はアメリカに3年半ほど留学していましたが、アメリカ人との会話で体臭の話題は、ほとんど出たことがありませんでした。
「彼から体臭がにおう」と言っても「そうかな」と言って、話がすぐ終わります。
わきがの人口割合が高いと、もはやそれが当たり前になり、問題視されないのです。
その一方で、日本人は民族的ににおいが小さい体質であるため、においがわずかにあるだけで、問題視されます。
アメリカにも一応デオドラントは存在しますが、日本ほど売れていないのが現実です。
体臭の弱いアジア人にはデオドラントが人気である一方、体臭が強い欧米人にはデオドラントがあまり売れていない。
不思議な光景でした。
世界の違いを感じたものです。