以前、歩数計をつけない生活をしていたころは「できるだけ近道を通ろう」と思っていました。
少しでも早く、少しでも短い距離を歩けば「得をした」という喜びがありました。
逆に、1分1秒でももたもたする自分がいると、すぐいらいらする感じです。
私に限らず、多くの人たちは、やはり近道が好きではないでしょうか。
特別な理由でもないかぎり、惰性の働く人間は、普通は近道を通りたがります。
しかし、歩数計をつけてから変わりました。
できるだけ歩数を増やすために、遠回りをしようと思うようになりました。
いつも行っているコーヒーショップに行くときに、分かれ道がありますが、遠回りの道を自然と選ぶようになりました。
電車やバスが時間に遅れていても、いらいらしなくなりました。
「時間があるから、辺りを少し歩こう」と思うからです。
数字が上がるにつれて、得られる達成感があるので、できるだけ遠回りをしたくなります。
急に待ち時間ができれば、歩きたくなる。
遠回りができて、歩数を増やしたとき、喜びを感じます。
この変化は自分でも驚きでした。
人間の価値観は、変えるのが難しいと思われます。
しかし、簡単に変えられるものだなと思いました。
何のことはない、歩数計をつけるだけでいいのです。