執筆者:水口貴博

脳を刺激する30の歩き方

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歩くことは、腰痛に効く。

歩くことは、腰痛に効く。 | 脳を刺激する30の歩き方

「背骨」と一言で言っても、小さな骨の連続から成り立っています。

その骨と骨との間には、柔らかい椎間板があります。

おかげで背骨は180度、柔軟に曲がるようになっています。

若いときには、椎間板は分厚く、柔軟性を保っています。

しかし、年を取ってくると、次第にすり減って薄くなり、背骨の骨と骨同士が摩擦を始めます。

これが、背骨を通る神経の束を刺激して、腰の痛みを引き起こすとされています。

腰痛は、ある程度、年を取ればなりやすい病です。

「そうか。ならば腰に負担をかけないほうがいいだろう。運動は控えめにしよう」

そういう感覚を持つのが一般的でしょう。

しかし、必ずしもそうとは限りません。

腰痛の原因調査のため、専門家がアフリカのタンザニアに住む「ハッザ族」を調査した結果があります。

ハッザ族は、1日28キロも歩く狩猟採集生活を送っています。

私たち先進国の人なら、1万歩を歩くだけでもやっとですが、28キロといえばハーフマラソンを越える長距離です。

ハッザ族は、その日の食事になる獲物を狩りに出かける「狩猟採集生活」を送っているため毎日よく歩きます。

これだけ歩いていれば、腰には大きな負担がかかり、腰痛になっている人も多いのではないか。

調査団たちは、そういう予想を立てていました。

ところが意外な調査結果が出ました。

普通に生活をしている人で腰痛に悩んでいる人は、なんと1人もいませんでした。

多くの人が腰痛になっているのではないかと思われていただけに、大変な驚きだったとのことです。

この結果から歩くことは腰痛にいいことがわかってきました。

では、なぜ歩くことが腰痛の防止につながるのでしょうか。

一説によると、歩くことで背骨を刺激するのがよいのではないかとされています。

歩くとき、体は軽く上下に揺れます。

このとき、背骨にも上下の刺激が伝わります。

この刺激によって、椎間板を形成しているコラーゲンの生成を促す効果があるため、腰痛になりにくいのではないかとされています。

正確なメカニズムはまだ究明中ですが、いずれにせよ歩くことが腰痛に利くことは間違いないようです。

「そうか。ではさっそく今日から腰痛改善のために歩こう」

ここで、1つ注意も必要です。

腰痛の予防のため歩くのはあくまで、まだ腰痛になっていない人です。

腰痛になって腰を痛めている人は、すでに問題を抱えていますから、歩くことで逆に腰を痛める可能性もあります。

また、腰痛の原因は、単純なようで実は複雑です。

椎間板の異常だけでなく、精神的なストレスが腰痛に関係することもあります。

すでに腰に痛みを抱えている場合、素人だけでの判断は難しいため、必ず担当の医師に相談してからにしましょう。

脳を刺激する歩き方(22)
  • たくさん歩いて、腰痛を予防する。
はだしで歩くほうが、脳を刺激する。

脳を刺激する30の歩き方

  1. じっと立っているだけでも、カロリーを消費する。
  2. 耳を澄ませば、聞こえなかった音が聞こえるようになる。
  3. 歩き方がきれいな人はいつも元気。
    自分の足音のリズムに乗っているから。
  4. 「時間」に縛られて考えるのではなく「気分」や「体調」を重視して考えるのがポイント。
  5. 空気は、おいしい食べ物だと意識しながら歩く。
  6. テーマを決めて歩くと、カラーバス効果が起こる。
  7. ひらめいたアイデアを、記録するだけでなく、実行しやすくする工夫。
  8. 「美しい花だ」そう思える人は、幸せだ。
  9. 姿勢が悪いから疲れやすい。
    疲れるから、余計に姿勢が悪くなる悪循環。
  10. 歩くスピードに「緩急」という変化をつけて歩いてみる。
  11. 人間の価値観は、歩数計1つで簡単に変えられる。
  12. カメラを持って歩くと、散歩がもっと楽しくなる。
  13. 後ろ向き歩きで歩いて、体のバランスを整える。
  14. ラジオを聞きながら歩くと、調子が出る。
  15. 毎日歩き続けていると、ついには筋肉痛が懐かしくなる。
  16. 健康を維持できない人は「運動は、悪くなったときにするものだ」と思っている。
  17. 運動しなくても健康維持できている人は、見えないところで運動をしているだけ。
  18. 「歩く時間」を作るより、自然に歩ける空間を作る。
  19. 歩いているときは、楽しそうな表情をしながら歩こう。
  20. 直線コースだけでは面白くない。
    くねくねした道を歩こう。
  21. 歩きながらのほうが、英会話のリスニングがよく聞き取れる。
  22. 歩くことは、腰痛に効く。
  23. はだしで歩くほうが、脳を刺激する。
  24. ウォーキングの苦しみが、スリムな体型に変換されていくイメージをしながら歩く。
  25. 適切な歩幅の計算方法。
  26. 水分補給のため水の入ったペットボトルを持ち歩く。
    すると、意外な効用がもう1つ生まれる。
  27. 夜のウォーキングには、朝や昼にはないメリットがある。
    ただし、デメリットにも注意せよ。
  28. 双眼鏡があれば、単なる散歩がバードウォッチングになる。
  29. 大股で歩くと、普段使っていない筋肉が鍛えられる。
  30. 疲れてきたら、元気に歩いている人を見て、もう一度奮い起こす。

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