世の中は、スピードが加速する一方です。
さまざまなメディアでは「速ければ速いほどいい」と言っています。
しかし、本当にそうでしょうか。
たしかにスピードが有利になることはたくさんあります。
勉強でも仕事でも、やはりスピードは大切です。
では、何でもスピードがあればいいかというと、そうでもありません。
スピードを出すからこそ、大切なものが見えなくなるからです。
電車に乗っているときを思い出しましょう。
すごいスピードで走っている電車の中にいると、近くの景色が見えなくなります。
早送りしているビデオを見ているかのように、次から次へと高速で景色が変わるのでは何がどうなっているのかわかりません。
スピードが速すぎると、あってもわからなくなります。
しかし、到着する駅に近づくにつれて、だんだん電車のスピードが遅くなります。
すると、ようやく近くにある景色が見えるようになります。
驚いたことに、美しい緑が広がっていたり、近くには花が咲いていたりします。
これは、私たちの日常生活でも同じです。
速ければ速いほど、見えなくなる幸せがあります。
急いで食事をすると、おいしい食事も味がわからなくなります。
急いで歩いていると、道端に咲いている花に感動する暇もありません。
人に感謝をする時間。
大切な人を愛する時間。
自分の人生を振り返る時間。
どれも急いで余裕のないときにできることではありません。
スピードを求めすぎているからこそ、あるべき幸せが見えなくなり、大切なことを見失ってしまいます。
そこで、今踏んでいるアクセルを緩めましょう。
余裕を作り、スローになる必要があります。
スローライフを心がけます。
ゆっくりするだけで、食事が今までよりおいしく感じられます。
それは味わう時間ができたからです。
おいしい食事を作らなくても、すでに食事はおいしかったのです。
歩くスピードを、少し遅くしてみましょう。
ほんの少しゆっくり歩くようになれば「おや。こんなにきれいな花が道端に咲いていたのか」と気づくはずです。
今までは急いでいたからこそ、あるものも見えなくなっていました。
スローになると、今まで見えなかった幸せが見えてくるようになります。
ないわけではありません。
速すぎて、あるのに気づかなかっただけです。
スローになることで、ようやくあるはずの幸せに気づくようになります。