食事マナーの難しい点は「所が変われば解釈も変わる」ということです。
世界共通のテーブルマナーがあればいいのですが、残念ながらありません。
「ナイフとフォークで食べるのがマナー」もあれば「箸で食べるのがマナー」「素手で食べるのがマナー」もあります。
全然違いますね。
その1つに、熱い飲み物を飲むマナーも、ところによって解釈が変わるマナーの1つです。
「ふうふう」
中華料理では、ラーメンやフカヒレのスープを口にするとき、息を吹きかけて冷ますことがあります。
この動作は、中華料理では比較的許容されています。
ふうふう息を吹きかけることで「出来立てでおいしそう」というニュアンスを伝えます。
そういうふうに捉える文化があります。
「ずるずる」
日本の熱いお茶漬けでも、ずるずる音を立てながら食べることがあります。
ずるずるいう音は、風情があって許容されています。
「おいしい。熱いけれど早く食べたい」という気持ちを伝えるものとされています。
しかし、所が変われば、マナーもさまざまです。
残念ながら西洋料理のテーブルマナーでは、息を吹きかけたりすすったりするのは厳禁です。
西洋の料理では、品や音を重んじる傾向があります。
ふうふう吹きかけるのは焦っている様子に見えてしまい、品位を落としてしまいます。
「ずるずる」という音も、静かで落ち着いた食事の雰囲気を壊してしまうため、よくないとされています。
フォーマルなレストランはもちろん、たとえカジュアルなレストランでも控えるべきです。
癖になっている人は、特に注意をしましょう。