食事の途中で席を立つ場合、ナプキンは椅子の上にたたんでおくのがマナーです。
しかし、食事が終わって席を離れるとき、ナプキンのたたむマナーは少し変わります。
使用済みであることがわかるように、わざとナプキンをきれいにたたまず、テーブルの隅に置くのです。
おそらくテーブルマナーを学び始めた人は、この意外なマナーに驚くはずです。
普通に考えれば、きれいにたたむほうが品があっていいのではないかと思います。
なぜ、たたまないほうがいいのでしょうか。
西洋では「ナプキンをたたむのを忘れてしまうほどおいしかった」という意味があるからです。
乱れたナプキンの状態は、給仕や料理人に対して料理の賛美を表現するマナーなのです。
もちろんあまりにくしゃくしゃにするのは品がないので「使用済み」とわかる程度にたたむくらいがいいでしょう。
一方、気をつけたいのは「きれいにたたんでしまうこと」です。
きれいにナプキンをたたんでしまうと「満足いく食事ではありませんでした」というメッセージになるためです。
美しい状態が常にベストとは限らないのです。