現地で食べる本場料理には、期待はずれが多いことに驚かされます。
本場でも、必ずおいしいとは限らない。
国によって文化が大きく異なるため、本場の料理が自分の口に合わないことは、よくあります。
「なんだ。本場はこんなものか」
いいえ、そこでがっかりするのではありません。
気づきましょう。
ここが勉強するポイントです。
「おいしいと思って食べるから、おいしく感じるのだ」と。
自分が感じる「おいしい」という基準は、必ずしも世界共通とは限りません。
「おいしい」という味は、あやふやです。
日本の納豆も、日本人は「おいしい」と感じても、ほかの国の人は「まずい」と感じます。
外国人は、こう思います。
「あんなもの、お金を払っても食べたくない。なぜ日本人はおいしそうに食べるのか信じられない」と。
しかし、日本では「納豆はおいしい。健康にもいい」という文化があり、そういう教えが広まっています。
テレビや新聞を見ていても「納豆はおいしい」「納豆は健康にいい」という納豆に票を投じるうたい文句がしばしば見られます。
そういう情報が入ってくると「おいしいはず。おいしいに決まっている」と思いながら食べるようになる。
だから、おいしく感じます。
問題は、味ではありません。
おいしいと思って食べるかどうかです。
各国の本場料理を楽しむコツは「おいしい」と思って食べることです。
「おいしいかどうか」を判断しながら食べるのではありません。
「これがこの国の味なんだ」と思いながら食べれば、何でもおいしく感じられます。
日本人の口に合わない本場キムチは「酸っぱいな」と思っても「おいしい」と思いながら食べると、次第においしいと感じます。
「この酸っぱいのがいいんだよ」と思えてくるから、不思議です。
それが「現地の人になる。文化になじむ。海外を勉強する」ということです。
あらゆる食事はそうです。
健康を害するものでないかぎり、おいしいと思って食べることです。
初めはまずいと思っても「おいしい、おいしい」と思いながら食べると、次第に何でもおいしく感じられます。
その瞬間、あなたの味覚がぐっと広まるのです。