初めてタイに行って、ホテルの1階にあるレストランで食事をしているときのことです。
ホテルのフロントスタッフの1人であるタイ人の男性から、急に話しかけられました。
「1週間後、ホテルで水道の工事を行うのだが、日本人客向けに日本語でどう書けばいいのか教えてほしい」
という内容を英語で聞かれました。
「それならこう書けばいいですよ」
私は手本になるような日本語を書きながら、しばらく英語でタイ人と会話をしていました。
それがきっかけで、しばらく雑談のような会話を15分くらい続けました。
物腰が低かったり、一生懸命になったりなど、タイ人の国民性のようなものが、少しずつ伝わってきました。
私も楽しくなって、つい長話をしてしまいました。
形式張ったところをなくし、現地の人と会話を交わすことで、現地の人の様子や生活感などが伝わってきました。
ガイドブックを読んでいるだけでは得られないことです。
現地に着いてぜひしてほしいことは、現地の人と少しでも会話を交わすことです。
海外旅行と言えば「観光地を見て回る」という印象が強いことでしょう。
「土地」に対して、強く注意が向くのではないでしょうか。
しかし、必ずしてほしいことがあります。
「人」に対しても、注意を向けてほしい。
具体的に言えば、現地の人と会話してほしい。
ポイントは「挨拶」ではなく「会話」です。
「挨拶」と「会話」は、全然違います。
挨拶は、社交辞令のような決まりきった言葉です。
「おはよう」や「お願いします」「ありがとう」という言葉もコミュニケーションですが、どこか形式張ったところがあります。
一方で会話は、お互いのことを伝え合う具体的なコミュニケーションです。
現地の言葉の理解がない場合、たどたどしい英語でもOKです。
身ぶり手ぶりのようなボディーランゲージでもかまいません。
「伝えたい」という気持ちは、必ず相手に伝わりますし、また相手からも何か伝わってくるものがあります。