犬との生活を今後ずっと続けていくために「犬とどうやって暮らすか」という点ばかりに目を向けてしまいがちです。
「どうすればトイレを覚えるか」「どうすればうまくしつけられるか」など考えていることでしょう。
愛犬と長く付き合うときの大切な点の1つですが、そのほかに見落としやすい点があります。
ご近所との付き合いです。
なぜ、自宅で飼っている犬がご近所と関係があるのかと思うでしょう。
大いにあります。
特に犬は、ほかのペットと違い、大きな声で吠えるのが特徴です。
自宅で吠えている声が、知らぬ間に近所迷惑になっている可能性があります。
これは自分では気づけません。
自分では「このくらいの声だったら聞こえていないだろう。迷惑になっていないだろう」と過小評価してしまう傾向があります。
たしかにまったく迷惑をかけていない場合もあるでしょう。
しかし、ご近所さんがどれだけ迷惑を感じているのかは、実際にご本人に聞いてみなければわからないことです。
アパート暮らしであろうと、一戸建て住宅であろうと、同じです。
壁の厚いアパートでも、深夜の場合はどうでしょうか。
お隣さんが寝ていると、たとえ小さく吠える声でも、迷惑です。
一戸建てに住んでいて、家との距離が離れていても、飼い主が留守の間に大きな声で吠えて、迷惑を感じていることもあります。
吠える声ばかりではありません。
家の中を走り回っている音は、アパートの下の階に住んでいる人の迷惑になっていることもあります。
犬のにおいが部屋の窓から出て、お隣にまでにおっているかもしれません。
いずれにせよ、自分ではわかりにくいです。
犬の声もにおいも、毎日付き合っていると当たり前だと感じて、近所にどれだけ迷惑をかけているのかわかりにくくなります。
苦情がないから大丈夫と思っていませんか。
不満はあっても、言い出せないだけかもしれません。
心の内では「うるさいなあ」「迷惑だな」と思っている可能性はある。
人によっては苦情を言いたくても、言えない性格の人もいます。
近所の人はストレスがたまり、知らぬ間に恨まれている場合もあるでしょう。
ご近所付き合いもあるので、言いたくても、ひたすら我慢をしている人もいるかもしれません。
そういう場合を考慮して、あらかじめ自分からご近所さんに尋ねてみましょう。
自分が飼っている犬が、何か迷惑になっていないかを自分から積極的に聞きます。
「うちの子が何か迷惑をかけていませんか」
「夜中に吠える声がうるさくないですか」
「におっていたりしませんか」
聞いてくれれば、言いやすくなります。
ささいな不満があれば、このタイミングに言ってくれるかもしれません。
こういう気遣いこそ重要です。
何か迷惑をかけていたとしても、気遣いをされると、ご近所さんはある程度寛容になってくれる場合が多いです。
もし、今日、これからご近所さんに会う機会があれば、尋ねてみましょう。
「うちの犬が、何か迷惑をかけていませんか」と。
そうすることで、ご近所さんとの付き合いがうまくいき、犬も長く住みやすくなるのです。