私は学生時代、飼っている犬のために、毎日散歩に出かけていました。
散歩とはいえ、毎日、天気のいい日ばかりではありません。
天気が悪い日もあります。
特に、雨が降っている日は、散歩がおっくうになります。
「今日は雨が降っているし、犬の散歩は控えようかな」
そうは思うものの、やはり犬のためにサボるわけにはいかないなと思い、傘を差して散歩に出かけていました。
そんなとき、ふと気づいたことがありました。
なぜか、雨の日のほうが、犬は散歩を楽しんでいるように見えます。
雨で視界は悪くなり、私は傘を差していることもあって、歩くスピードはいつもよりゆっくりになります。
しかし、犬はしっぽを揺らしながら、そわそわしていて、いつもより楽しそうにはしゃぎ回ります。
濡れているためか、なぜか川に飛び込もうとして、引き止めたこともあります。
あなたが飼っている犬も同じようなことはありませんか。
なぜ、雨の日の散歩を、犬は喜ぶのでしょうか。
おそらく雨が降っていることで、いつもと違った刺激がたくさん増えるからでしょう。
雨の日は、いつもと同じ散歩のコースでも、別世界へと変わります。
雨の日の空気は、晴れの日とは違ったにおいがします。
地面が濡れているせいで、足元が濡れます。
そうしたいつもと変わった刺激に喜んでいます。
犬の体が汚れるのは「後で洗うのが大変だ」と悩む一方、犬はむしろ濡れたり汚れたりするのが、楽しそうです。
そんな汚れをお構いなしに楽しんでいる姿を見ていると「まあ、いいか」と思えてきます。
犬が喜んでいると、面倒なことも許せてしまいます。
雨の日は散歩を控えてしまいがちですが、雨の日こそ、ぜひ散歩をしてはいかがでしょうか。
いつもと変わった刺激に、犬は意外にも大喜びするに違いありません。