執筆者:水口貴博

初めて犬を飼うときの30の心構え

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しつけは、時間をかけるほうがいい。時間がかかるからいい。

しつけは、時間をかけるほうがいい。時間がかかるからいい。 | 初めて犬を飼うときの30の心構え

「早くマナーを覚えてもらいたい」

「早くしつけを覚えてほしい」

おそらく、これはほとんどすべての飼い主に共通する願いでしょう。

やはり面倒がかかるのは大変なので、少しでも早くしつけを覚えて、マナーや良識ある犬に育ってもらいたいと願います。

一見、当たり前のことのように思えます。

しかし、本当にそうでしょうか。

たとえばの話です。

もし、1日であらゆるしつけのすべてを覚えたとします。

すると、次の日から何もしなくてよくなります。

これは楽なようで、これほどつらいことはありません。

ほかの飼い主が「なかなか犬がしつけを覚えてくれない」という悩みに共感できないため、飼い主との話についていけなくなります。

また、何でもすぐ覚えてくれるなら「飼い主の私がいなくても、この子だけで生きていけるのではないか」と思います。

覚えがよすぎるのは、嬉しいようで、悲しいです。

しつけは早ければいいわけではありません。

「しつけは、早くしなければいけない」という常識を破ってください。

逆です。

しつけは、時間をかけるから、いい。

覚えるのが遅いからこそ、毎日の楽しみになります。

「今週はこれができるようになった。来週はこれを覚えさせよう。再来週はこれを覚えさせたい」

ゆっくりじわじわだからこそ、楽しみが持続します。

たとえ、時間がかかってもいい。

しつけに手間と時間がかかるからこそ、他の飼い主と「ペットを飼うのは大変ね」と共感でき、友人が増えやすくなります。

苦労も悩みも、しばらく経てば、いい思い出になるでしょう。

なかなか覚えの悪い犬だからこそ「私がいなければこの子だけでは生きていけない」と思えるようになります。

仕事でへこたれても「仕事を辞めれば稼ぎがなくなる。飼っている犬の食費を誰が稼ぐのだ」と思います。

すると、仕事へのやる気へと変わります。

1人では何もできない犬がいるからこそ、底力がめきめき出るようになります。

なにより、適度に物覚えが悪いほうが、飼い主を笑わせてくれます。

おっちょこちょいで、とんちんかんで、間抜けな犬の姿は、飼い主を笑わせてくれます。

癒しになります。

苦労や悩みも多い分、笑いが絶えない日常になり、飼い主の生活は華やかになります。

だからこそ、しつけは時間がかかるほうがいい。

「この子のために頑張ろう」という気になり、今日も明日も頑張れるのです。

初めて犬を飼うときの心構え(5)
  • 時間がかかるしつけを、楽しむ。
自転車で犬を散歩させるのは、要注意。

初めて犬を飼うときの30の心構え

  1. 犬のしつけで一番大切なのは、やる気や根気より、まず愛情。
  2. ただリーダーになればいいわけではない。
    大切なのは「尊敬されるリーダー」になること。
  3. 犬を飼い始める事情は、重いほうがいい。
  4. ペットを育てる苦労や悩みも、大変だからこそ、温かい思い出になる。
  5. しつけは、時間をかけるほうがいい。
    時間がかかるからいい。
  6. 自転車で犬を散歩させるのは、要注意。
  7. 易しいところから始めるのが、遠回りに思え、実は最も近道になる。
  8. かわいい子犬こそ、食べるものに関しては鬼になって徹底管理する。
  9. 定期的なブラッシングをすれば、けがや病に早く気づける。
  10. 犬は、のんびり気長にしつけるほうが、逆に覚えがよくなる。
  11. ご近所さんに迷惑になっていないか、尋ねること。
  12. 意外にも、犬は雨の日の散歩を大喜びする。
  13. 大雨が降って散歩ができない。
    そんなとき、散歩の代わりにすればいいことがある。
  14. 人間が食べるお菓子は、犬のご褒美として与えないほうがいい。
  15. 犬に与えていい食べ物かどうかを、食べられるかどうかで判断しない。
  16. うっかりリードが手を離れた。
    捕まえようとしても、逃げられる。
    どうすればいい?
  17. 去勢・避妊手術はしたほうがいいの?それともしないほうがいいの?
  18. 無駄吠えをやめさせるときに、犬にかまうのはNG。
  19. 飼い主は「見る立場」から「見られる立場」になればいい。
  20. いつもペットの機嫌を取るような話し方は、やめたほうがいい。
  21. 犬のしつけの結果は「副産物」と考えるほうが、うまくいく。
  22. 「やめなさい」という一言は、奥が深い。
  23. 犬と生活していると、落ち込んでも立ち直りが早くなる。
  24. 無駄吠えの原因探しは、犬の気持ちを理解する機会になると同時に、飼い主にとって頭の体操にもなる。
  25. 犬も寂しいと、夜泣きをする。
  26. できることなら、愛犬へのしつけは子犬のときがいい。
  27. 子犬のときより成犬のほうが、しつけやすい面もある。
  28. 犬が散歩をした後に食事を与えると、肥満になりやすくなる。
  29. 犬の散歩のタイミングは、食前より食後のほうがいい。
  30. 犬をしつけていたとき、過去の自分と重なった。

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