「死ぬほど頑張っています!」
声高らかに主張する人がいます。
全身全霊で取り組み、すべてを出し切るつもりで頑張っているのでしょう。
スケジュールがぱんぱんで、不眠不休で一心不乱に取り組んでいるような印象を受けるでしょう。
どのくらい頑張っているのだろうと思って詳しく話を聞くと、よくあるオチがあります。
「死ぬほど頑張っている」という人に限って、大して頑張っていないのです。
頑張り方が普通です。
疲れたときは、普通に休んでいます。
食事や睡眠の時間も普通にあります。
休日や休暇もあります。
日常に余裕があって、仕事以外の趣味を楽しむ余裕もあります。
それは「死ぬほど」と呼べるレベルではありません。
「死ぬほど」ではなく「普通」です。
「死ぬほど」というわりに命がけの様子はなく、むしろ余裕があるほどです。
「死ぬほど」というフレーズは、簡単に使うものではありません。
命や健康を脅かすほどのレベルであり、強烈なインパクトがあります。
それはめったに実現するものではありません。
そもそも「死ぬほど頑張っている」と言える時点でおかしいのです。
本当に死ぬほど頑張っているなら「死ぬほど頑張っている」と言う余裕すらないはずです。
本当に頑張っている人から見れば「まだまだ」と笑われるでしょう。
「死ぬほど頑張っている」と言える時点で、まだまだ余力がある証拠であり、頑張りのレベルが低いことがわかります。
本人は「死ぬほど」という言葉を「一生懸命」の意味として使っているのかもしれませんが、誤解を招く口癖です。
大げさなフレーズを安易に使わないことです。
大げさなフレーズを使えば使うほど、かえって軽く見えるのです。
「死ぬほど頑張っている」というセリフは自分で言うものではありません。
言われるものです。
人から「死ぬほど頑張っている」というセリフを言われることはあっても、自分から言うセリフではないのです。