日本を代表する漫画家の1人に、さいとう・たかを氏がいます。
さいとう・たかを氏の代表作といえば「ゴルゴ13」で有名です。
超一流スナイパーの主人公デューク東郷が、クライアントからの依頼を得意の狙撃で次々成功させていくというストーリーです。
デューク東郷は、年齢・国籍・経歴のいずれも不明です。
こわもての顔をしていて口数も少ないのですが、仕事ぶりは一流です。
細かい描写や練られたストーリーがあって引き込まれる魅力があり、ゴルゴ13シリーズは長い間人々を魅了し続けました。
翻訳もされていて、海外にも多くのファンがいるほどです。
なぜこれほどまで大きな成功・素晴らしい偉業を実現できたのか。
ゴルゴ13の成功の秘密は「徹底された分業体制」にあります。
さいとう氏は、漫画のすべてを1人で描こうとはしません。
さいとう氏は、主人公のデューク東郷の顔だけを描き、ほかの部分は各担当に任せます。
その徹底ぶりは度肝を抜かれます。
資料収集の担当、車の作画担当、武器の作画担当、自然背景の作画担当などなど。
なんと脚本は、脚本担当がいます。
各分野のプロフェッショナルが担当して、それぞれが才能を発揮することで漫画の完成度が上がります。
その結果、50年以上にわたる長期の連載を続けることができました。
単行本も200巻以上です。
2021年には「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録認定という偉業も果たしています。
すべてを1人でやろうとしていませんか。
成功したいなら、1人ですべてをやるのは要注意です。
意地やプライドがあって「何が何でもすべて自分がやる!」という考え方は危険です。
1人でやろうという意気込みは素晴らしいですが、現実的ではありません。
1人の力には限界があります。
自分の体は1つしかなく、1日は24時間しかありません。
すべて1人でやろうとしているうちは、成功できません。
1人でやろうとする意地やプライドは、さっさと捨ててしまうことです。
成功するために必要なのは「分業制」です。
大きな成功は、さいとう氏のような徹底的な分業によって目指していくものです。
余計なプライドは捨てて、多くの人の手を借りることが大切です。
仕事の規模が大きいものであればあるほど、チームを作って分業で進めていくのが賢明です。
マルチタスクに自信がある人でも、素直に分業を取り入れたほうが、より良い仕事に仕上がります。
分業は、成功するための必要不可欠な条件の1つです。