「誰に好かれたいですか」
そう聞かれたとき「すべての人に好かれたい」と考える人が多いでしょう。
嫌われるのは誰にとっても嫌なこと。
「みんなに好かれたい。愛されたい。人気者になりたい」
当たり前に願うところですが、ここに大きな問題があります。
人付き合いが下手な人は、すべての人に好かれようとします。
誰にも嫌われず、すべての人に好かれることが素晴らしいと考えています。
男性にも女性にも好かれたい。
子どもにも大人にも好かれたい。
外国人にも好かれたい。
もちろん自分の好きな人にも好かれたい。
すべての人に好かれようとするのは、一見すると誰もが願う理想でしょう。
しかし、これがよくありません。
人それぞれ、生まれも育ちも違います。
性格・好み・価値観も違います。
みんなに好かれようとして振る舞うと、それぞれの好みに自分を合わせなければいけません。
これは事実上、不可能なのです。
すべての人に好かれようと要領よく振る舞うと、主体性がなくなり、自分を見失います。
常に相手の様子をうかがわなければならず、大きなストレスも感じるでしょう。
相手に迎合するような振る舞い方は、客観的に見て、下品でいやらしくも見えます。
すべての人に好かれようとすると、結局、誰にも好かれなくなるのです。
一方、人付き合いが上手な人は、みんなに好かれようとはしません。
そもそもすべての人に好かれるのは不可能だと気づいているため、最初から諦めます。
一部の人に嫌われても気にしません。
「人それぞれ好みが違うのだから仕方ない」と潔く諦めます。
人付き合いとして挨拶程度はしますが、深く関わることはしません。
その代わり、自分にとって大切な人に好かれようと集中します。
たとえば、かけがえのない家族、何でも話せる親友、愛するパートナーなどです。
人間関係を大切な人に集中させれば、自分が投資できる時間・お金・労力を有効に活用できます。
大切な人に集中すると、好かれる人の数は少なくなりますが、人付き合いの質は深まります。
人付き合いで大切なのは、広さより深さです。
嫌われることを恐れないこと。
すべての人に愛されるのを諦めたほうが、本当に豊かな人付き合いができます。