テレビや新聞を見ていると、驚くべき行動をする年配者を目にしました。
生きているうちに、自分のお墓を作る光景です。
まだ死んでいないのに、先に自分のお墓を作ってしまうのです。
縁起が悪く、滑稽に思えます。
なぜ、そんなことをするのでしょうか。
第1は、経済的な負担の削減です。
自分が亡くなれば、お墓の準備を残る家族にさせることになります。
お墓を建てるには、大きな費用が必要です。
お墓の規模によっては、車が買えるほどの値段になることもあります。
自分が生きているうちに、自分のお墓を自分の財布から出すことで、残された家族の経済的負担を軽くできます。
自分の墓ですから、自分のお金を使います。
自分が亡くなった後も、家族がお墓の準備に慌てることもありません。
第2の理由は、安心感です。
生きているうちにお墓を作ると、自分が死んだ後の様子がうかがえます。
「自分が死んだ後は、ここに入る」
死後の状態が目に見えてわかれば、安らかな死を迎える準備になるでしょう。
生きているうちにお墓を作ることは、肯定派と否定派があります。
どちらがいいとは、一概には言えません。
「早死にする」という声を耳にしますが、あくまで噂であり、科学的根拠はありません。
聞き慣れない風習に思えますが、歴史を振り返ると、実は古くから存在しています。
日本で見られる古墳は、有力者が生きている間に作ったお墓です。
エジプトで見られるピラミッドも、王が生きているうちに作ったお墓です。
人は、いずれ必ず死を迎えます。
自分の生き方を決めるのが自分なら、死に方を決めるのも自分です。
「自分の生き方に合っている」と思うなら、選択肢の1つとして、検討してもいいのではないでしょうか。