プロボクサーの試合を見ていると、面白いことに気づきます。
試合が始まってしばらくすると、一方のボクサーが殴られて、ダウンします。
ダウンすれば、カウントダウンが始まります。
「ワン、ツー、スリー」とカウントを始め「テン」になると、勝負が決まります。
このときに注目です。
軽いパンチでダウンしても、すぐ起き上がりません。
カウントエイトあたりで、起き上がります。
必ず、カウントエイトあたりです。
なぜでしょうか。
実は、休憩しているのです。
判定が決まるまでわざと起き上がらず、ぎりぎりまで試合中の体力回復の時間稼ぎをしています。
プロらしい、知的な戦略です。
人生も、ボクシングです。
何かでダウンしたとき、すぐ起き上がるのではありません。
すぐ起き上がれても、すぐ起き上がらないほうがいいでしょう。
カウントエイトまで、心と体を休ませましょう。
ダウンしている時間を回復の時間として活用すれば、起き上がってから、スタートダッシュができます。
ダウンによる遅れを、一気に取り戻せます。
絶望的な状況からの突破口は、ダウンの時間にあるのです。