ある日、飲み会の誘いがあったのですが、私は断りの連絡をしました。
「ごめん。ちょっと用事があってね」
わざと言葉を曖昧にしました。
実のところ、用事があるというのは、嘘です。
単に気が乗らなかっただけです。
私はあまり飲みに行くのが好きではありません。
どうせ愚痴や妬みばかりだろうと思うのです。
ただ「気が乗らないから行きたくない」と正直に言いづらいので、ちょっと用事があるふりをして、断ろうとしました。
しかし、相手は素直に引き下がってくれませんでした。
「どんな用事ですか?」
「何があるんですか?」
「教えてくださいよ!」
しつこく聞いてくるのです。
断る理由を尋ねて、大したことのない理由なら、無理やり参加させようと考えているのです。
わざと言葉を曖昧にした態度から、察してもらいたかったのですが、本当に用事があると信じていないようです。
理由を聞き出すまで、納得しない様子でした。
これには参りました。
出席してもらいたい気持ちはわかりますが、あまりにしつこいと、その人のことまで嫌いになってしまいそうです。
まだ私が男だからいいのです。
特に女性の場合は、生理があって出席したくないこともあるでしょう。
「生理だから飲みたくない」とは、事実でも言いにくい。
そういうとき「ちょっと用事があって」という濁した言い方をするものです。
濁した言葉の意味を察してほしい、と思うのです。
断っているなら、しつこく誘わないのも、良好な人間関係に必要です。