「ちくちく、ちくちく」
ある夏の夜、おそらく深夜2時あたりのことです。
首の辺りで、何か違和感がありました。
痛いというほどではなく、ほのかに感じるかゆみと似た感覚でした。
眠っているときにかすかに感じたことだったので、深く気にせず、そのまま眠り続けていました。
翌日、目を覚ましました。
顔を洗おうと思い、洗面台の鏡の前に立ったときのことです。
「わっ。なんだ、これ!」
首の一部が真っ赤に腫れているのです。
蚊に刺されたようなかわいい傷ではなく、ドラキュラに噛まれたようなはっきりしたものでした。
母に見せると「ダニのしわざ」だと言います。
睡眠中に感じた違和感は、ダニに噛まれていた痛みなのでした。
首回りは布に覆われていないため、寝ている間にダニが噛んだ跡のようです。
心当たりはありました。
その時期、布団の洗濯や日干しを怠っていたのです。
夏場ですから湿度も高く、睡眠中にかいた汗の影響もあって、ダニが繁殖しやすい条件が揃っていたのでした。
布団はとてもきれいでしたが、その見た目の判断がよくありませんでした。
見た目はきれいでも、ミクロの世界では小さなダニがたくさんいたのです。
「これはいけない!」と思い、すぐ洗濯をして日干しをしました。
定期的な布団の洗濯と日干しは必須です。
物品の整理整頓ももちろん大切です。
しかし「部屋のきれいさ」とは、見た目だけのことではありません。
見た目はきれいなカーペットでも、もしかしたらダニでいっぱいだとどうでしょうか。
座布団、エプロンなど意外なところにも潜んでいます。
快適な生活空間や寝心地を楽しむためにも「ダニ」という小さな生き物には要注意です。
目に見えないほど小さいからこそ、肉眼できれいになっているかどうかは、正しく判断できません。
定期的な洗濯や日干しという習慣が大切なのです。