会社の昼休みのことです。
私はコンビニで弁当を買ってきていたので、職場に残ったままデスクで昼食です。
職場のみんなが昼食で出ていき、残ったのは私と上司の2人だけになりました。
しかも上司は、向かいの席にいます。
勤めている会社では、昼休み中、エコ活動の一環として部屋の電気を消すことになっています。
薄暗い職場で、上司と2人だけ。
ちょっと気まずい。
周りに誰もいないときは、何か普段言えないことを話しかけられたりするものです。
「水口君は、結婚をしているの?」
案の定、話しかけられました。
予想どおりです。
「いいえ、まだです」
話の流れから「ああ。どうせまた早く結婚しなさい」という説教だろうと思いました。
すると、意外なことを言われました。
「羨ましい。今のうちに精いっぱい恋をしなさい」
てっきり説教かと思ったら、そうではありませんでした。
逆に、羨ましく思われてしまったのです。
上司は、面白いことを言い始めました。
「結婚をすれば、もう恋愛はできなくなる。自分は妻も子どももいてポジションもあるから、全然自分の時間がない」
「笑ってしまうほど時間がないよ。今のうちに自由な恋愛を満喫したほうがいい」
そう言われて、妙に納得してしまったのです。
上司からの「笑ってしまうほど自分の時間がない」というフレーズはインパクトがあり、耳に残っています。
私は今、恋をしています。
普通の恋ですが、結婚をしている人には羨ましいとのこと。
上司からの言葉を、昼食を食べながら、しんみり考えてしまいました。
何気ない恋ではありますが、幸せなことだと再確認したのです。
もちろん結婚をするからこそ、得られる幸せもあります。
しかし、結婚をすると同時に失うものがあるのも事実です。
往々にして、結婚してからそれに気づくものです。
「自由な恋愛」はその1つです。
束縛や制限のない恋愛を、今のうちに堪能しておきましょう。