執筆者:水口貴博

ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

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精度を追求する原則を守った結果、作業が速くなるのは問題ない。

精度を追求する原則を守った結果、作業が速くなるのは問題ない。 | ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

勉強が苦手な人の勉強時間は、意外なことに「長時間」です。

「これだけ勉強しているのに、なぜ成績が上がらないのだろう。頭が悪いからに違いない」

勉強を長時間しても、成績がなかなか上がりません。

最終的には、自分は頭が悪いんだと結論付けてしまいます。

頭が悪いからではありません。

勉強法が悪いだけです。

おそらくその人は勉強を夜にして、音楽を聴きながら、あるいはテレビを見聞きしながら勉強しているはずです。

つまり「集中できていない」ということです。

勉強時間は長くても、集中できていないので、質の低い時間です。

本当に勉強ができる人は、短時間です。

勉強は、早起きして朝にします。

音楽は流さず、テレビもつけず、集中します。

勉強時間は短いですが、結果として時間の質が高くなり、成績が上がります。

ヒューマンエラーを防ぐために、何でもかんでもゆっくりすればいいと思っている人がいます。

長時間すればいいというのは、失敗です。

勉強と同じです。

気が緩み、だらだらになれば集中力も注意力も記憶力も低下して、むしろヒューマンエラーが発生しやすくなります。

できるだけ短い時間で終わらせたほうが、作業者・確認者の体力が持続し、品質が向上します。

当然ですが、ヒューマンエラー防止には「集中」が大切です。

作業に集中すれば、必ずスピードがでます。

ヒューマンエラーでは「速さより精度を重視」が原則です。

しかし、精度を追求する原則を守った結果、速くなるならかまいません。

むしろ、それこそ理想です。

作業一点に集中することで、テンポがよくなり、結果としてスピードが出るというのはかまいません。

本来、集中すれば、必ずスピードが出ます。

勉強ができる受験生は、勉強時間こそ短いですが、代わりに集中力があります。

集中力が、スピードへと変わり、時間が濃くなります。

短時間でいいので、集中してスピードを出すほうが、結果として頭が回転して記憶力も高くなります。

人は集中したとき、必ず、ある一定のスピードが出るようになります。

無駄なことを考えず、今、目の前にある作業の身に集中するとき、正確、かつ速くなるのです。

ヒューマンエラーを防ぐ方法(21)
  • 作業一点に集中して、結果としてスピードも出す。
例外を1つも作らない。

ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

  1. ヒューマンエラーは、慣れたときに起こる。
  2. 頭で覚えているささいなことほど、チェックシートを使って確かめる。
  3. 車の助手席に座る人には、確認者としての仕事がある。
  4. 指さし確認・声だし確認を癖にする。
  5. 改善すべきは、人ではなく、プロセス。
  6. 見間違いやすい数字や記号は「使わない」か「ふりがな」で対処する。
  7. キスをすれば、ヒューマンエラーがなくなる?
  8. 精度を求めた「ゆっくり」には、雑談がない。
  9. 集中しなくても、ミスをしないシステムを作る。
  10. きれい事を言う人が、一番きれいな行動をしなければならない。
  11. デジタルな作業を、わざわざ人間が行う必要はない。
  12. プロスポーツ選手は、ファンという監視の目に助けられている。
  13. ヒューマンエラーは「アナログ」で発生する。
  14. ミスをした人にペナルティーを与えない。
    反則した人にペナルティーを与える。
  15. 手順書・約束事は、ヒューマンエラー防止の第一歩。
  16. 他人のミスや失敗は、絶対、あなたのためになる。
  17. 恥ずかしさを捨てなければ、ヒューマンエラーを撲滅できない。
  18. わからないときには、質問する。
    わかったときには、言い換えた内容で質問をする。
  19. ヒヤリハットを見逃すな。
  20. 商用環境では、速度より精度を重視。
  21. 精度を追求する原則を守った結果、作業が速くなるのは問題ない。
  22. 例外を1つも作らない。
  23. そもそも作業をしなければ、ヒューマンエラーが起こることもない。
  24. 「問題が発生したときの方法」より「問題を発生させない方法」を考える。
  25. ヒューマンエラーは、省略したときに起こる。
  26. 疲れてから休憩ではない。
    疲れる前に休憩をする。
  27. 作業中は、電話を取らない。
  28. デスクの上に、不要な物を置かない。
  29. 短期記憶に頼らない。
  30. 「もし」で考える人ほど、未来が開ける。

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