公開日:2008年6月15日
執筆者:水口貴博

ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

  • ヒューマンエラーは、
    慣れたときに起こる。
ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

ヒューマンエラーは、慣れたときに起こる。

「ヒューマンエラー」という言葉をご存じでしょうか。
日本語で言えば「人為的間違い」ということです。
人間特有のミス、ということです。

頭で覚えているささいなことほど、チェックシートを使って確かめる。

今、私が勤めている職場では、ヒューマンエラーを防ぐために「作業前チェックシート」というシートが活用されています。
別に大げさなものではありません。
エクセルで簡単に作成して、安っぽい紙に、白黒で印刷したものです。

車の助手席に座る人には、確認者としての仕事がある。

私が、両親と一緒に車に乗って出かけるときのことです。
父が運転手になれば、母は助手席に座り、私は後部座席に乗ります。
これは、水口家のお決まりのパターンです。

指さし確認・声だし確認を癖にする。

私には「指さし呼称・声だし確認」という職業病があります。
仕事で毎日しているために、体にまで染み込み、日常生活でも無意識のうちにしてしまいます。
癖になり、大勢の人がいても恥ずかしがることなく、できてしまいます。

改善すべきは、人ではなく、プロセス。

ミスが発生したとき、ミスした人を責めてしまいがちです。
「なぜこういうことをしたんだ?」
「こんなところで間違えるな!」

見間違いやすい数字や記号は「使わない」か「ふりがな」で対処する。

操作するのが人間である以上、人間がわかりやすい手順書を作るべきです。
見間違いやすい文字を使った手順書なら、見間違いによるヒューマンエラーが発生して当然です。
たとえば「l」と「1」です。

キスをすれば、ヒューマンエラーがなくなる?

ヒューマンエラーをなくすためには、キスをしましょう。
唇を重ねてキスをする、KISSではありません。
「Keep It Simple Stupid」の「KISS」です。

精度を求めた「ゆっくり」には、雑談がない。

「速度」より「精度」のほうが重要です。
間違いを防ぐためには、速度より、精度を優先します。
精度を優先すれば、当然、作業スピードは遅くなります。

集中しなくても、ミスをしないシステムを作る。

当然ですが、ヒューマンエラーを防止しようと、作業に集中するのはよいことです。
しかし、理想を言えば、集中しなくてもミスにつながらないプロセスを作ることです。
人間ですから、ある程度作業を継続すれば、疲れます。

きれい事を言う人が、一番きれいな行動をしなければならない。

弱音を吐いてしまいますが、私にはジレンマがあります。
私は多くの文章を書いていますが、書けば書くほど、思うことがあります。
「自分がきれい事を言っているが、自分が実行できているか」という点です。

デジタルな作業を、わざわざ人間が行う必要はない。

人間はアナログが得意で、デジタルが苦手です。
一方、コンピューターはデジタルが得意で、アナログが苦手です。
ヒューマンエラーを起こさない方法として「デジタル処理をコンピューターに任せられないか」と考えることは重要です。

プロスポーツ選手は、ファンという監視の目に助けられている。

自分一人で作業をしていると、誰もいないからとはいえ、気が緩んでしまいます。
気が緩んだときに、ヒューマンエラーが発生します。
ほうっておけば、惰性が働くのは人間ですから、不思議なことではありません。

ヒューマンエラーは「アナログ」で発生する。

デジタルな仕事は、すべてコンピューターに任せます。
しかし、アナログな作業はコンピューターにとって苦手ですから、人間が行います。
いえ、アナログは人間にしかできませんから、人間がするしかないというのが実情です。

ミスをした人にペナルティーを与えない。
反則した人にペナルティーを与える。

ヒューマンエラーを防ぐために、ペナルティーを与える方法も有効です。
ペナルティーの種類については、ここでは言及しませんが、やはり人が嫌がるようなことが効果的です。
嫌がるペナルティーほど、ルールを守るために必死になります。

手順書・約束事は、ヒューマンエラー防止の第一歩。

ヒューマンエラーを防止するために「手順書」と「約束事」は必須です。
手順書があれば活用し、なければ今すぐ作成します。
約束事があれば、それに従い、なければ今すぐ決めましょう。

他人のミスや失敗は、絶対、あなたのためになる。

他人の間違いは、自分のことだと思う癖をつけておきましょう。
他人のミスや失敗は、あなたのためになります。
自分が犯す前に他人が失敗を犯してくれたのですから、これほどよい教材はありません。

恥ずかしさを捨てなければ、ヒューマンエラーを撲滅できない。

ヒューマンエラーが発生する当たり前の要素に「わからないことはわからない」ということがあります。
わからないまま作業を進めると、どうなるのかというと、失敗やミスをします。
当たり前のことです。

わからないときには、質問する。
わかったときには、言い換えた内容で質問をする。

相手の話を聞いて理解できないところがあれば、質問をします。
わからないものはわかりませんから、話を聞いて不明な点は、説明者に尋ねます。
では、理解できたときには質問しなくてもいいのかというと、そうではありません。

ヒヤリハットを見逃すな。

「ヒヤリハット」という言葉をご存じですか。
ヒヤリハットとは、間違えそうになった経験のことです。
失敗しそうになり、ひやりとした経験。

商用環境では、速度より精度を重視。

速度を優先させるのは、失敗や間違いの元凶です。
特に、社会経験の浅い人は「作業のスピードは速いほうがかっこいい」と思う傾向があります。
作業スピードが速いのはたしかにかっこいいかもしれませんが、状況によります。

精度を追求する原則を守った結果、作業が速くなるのは問題ない。

勉強が苦手な人の勉強時間は、意外なことに「長時間」です。
「これだけ勉強しているのに、なぜ成績が上がらないのだろう。頭が悪いからに違いない」
勉強を長時間しても、成績がなかなか上がりません。

例外を1つも作らない。

一度決めたルールでは、例外を1つでも作らないことです。
全員が守ると決めたら、全員が守るようにします。
1人でも例外がいれば、ほかの人がそれを見て、同じように例外行動をし始めます。

そもそも作業をしなければ、ヒューマンエラーが起こることもない。

ヒューマンエラーを防ぐ、意外な方法があります。
「作業をしなければいい」という方法です。
そもそも作業そのものをしなければ、失敗や間違いが発生することはありません。

「問題が発生したときの方法」より「問題を発生させない方法」を考える。

「問題が発生したときの方法」について考えるより、先に考えておかなければならないことがあります。
「問題を発生させない方法」です。
「喧嘩に勝つ方法」より「喧嘩をしない方法」を考えるということです。

ヒューマンエラーは、省略したときに起こる。

ヒューマンエラーを防ぐためには「省略しない」というルールを徹底しましょう。
何かを省略したときに、ヒューマンエラーが発生する可能性が大きくなります。
毎回同じことを繰り返していると「手順を少しくらい省略しても大丈夫だろう」という甘い考えが出てきます。

疲れてから休憩ではない。
疲れる前に休憩をする。

「疲れたなあ。少し休憩しよう」
緊張の伴う作業で、心身ともに疲れたので休憩を取ります。
疲れると、集中力や注意力が低下して、ヒューマンエラーにつながりますから、適度な休憩は好ましいことです。

作業中は、電話を取らない。

電話は、いつ、かかってくるかわかりません。
大して重要な作業中でなければ、かかってきた電話をつい取ってしまいがちです。
しかし、作業中には電話を取らないというルールを徹底しましょう。

デスクの上に、不要な物を置かない。

そもそも作業をする環境が悪いと、ヒューマンエラーも発生しやすくなります。
作業をするデスクの上には、作業に必要な物以外は置きません。
作業に必要な物だけを置きます。

短期記憶に頼らない。

作業をするときに「人間の短期記憶は頼らない」という原則を守ってください。
「頭で覚えておこう」はやめることです。
「紙に書こう」「手順書に書き込んでおこう」が正解です。

「もし」で考える人ほど、未来が開ける。

ヒューマンエラーの防止策として「もし」の視点で考えましょう。
安全意識を持っている人ほど「もし」で考える習慣を持っています。
「もし、財布を落としたら、どうなるか」

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