執筆者:水口貴博

ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

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プロスポーツ選手は、ファンという監視の目に助けられている。

プロスポーツ選手は、ファンという監視の目に助けられている。 | ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

自分一人で作業をしていると、誰もいないからとはいえ、気が緩んでしまいます。

気が緩んだときに、ヒューマンエラーが発生します。

ほうっておけば、惰性が働くのは人間ですから、不思議なことではありません。

仕事でもスポーツでも、ある一定以上、同じことが続けば飽きてしまい、サボりたくなる気持ちが出てきます。

たとえ、大好きなことでさえもです。

1つの提案として「第三者の目を置く」というのはいかがでしょうか。

第三者の目を置けば、緊張が持続して、品質の高い作業を保てます。

プロスポーツ選手は「ファンに助けられた」という言葉をよく口にします。

大きな成績を残している選手ほど、決まって口にする言葉です。

ファンからの応援で底力が湧き、実力以上の実力を発揮できたという意味かというと、たしかにそれもあります。

しかし、実はこの言葉には、意外な意味が隠されています。

通常、人間は、自然と惰性が働きます。

男であろうと、女であろうと、年齢も関係なく、プロでさえ怠けたくなる気持ちが出てきます。

しかし、いつもファンが選手を応援してくれれば、怠けたくても怠けることができません。

第三者の目があると緊張し、少しでもいいかっこをしたいと思うのが、人間です。

ファンとはいわば、第三者の監視の目です。

スポーツ選手が惰性を乗り越え、苦しいトレーニングを継続できるのは、ファンという第三者の監視の目が光っているからです。

見ている人がいるからには、サボりたくても、サボれません。

監視の目が光っているからこそ、継続的にトレーニングを積み、さらによい成績を残します。

よい成績が残せれば、さらにファンが増え、監視の目がさらに強力になります。

結果として、いい効果を生み出します。

「ファンが選手を育てている」と言っても過言ではありません。

むしろ、そのとおりです。

ファンがいなければ、選手は「誰も見ていないから大丈夫」と思い、怠けることでしょう。

プロスポーツ選手が口にする「ファンに助けられた」とは、そういう深い意味が込められています。

第三者の目を有効に活用しましょう。

「見られているから嫌だ」と思うのではなく「見られているからやる気が出る」とポジティブに考えればいい。

プロスポーツ選手ほど、第三者の目を有効に活用しています。

「見られたくない」と思うのではなく、むしろ「見られたい」と考えましょう。

惰性を乗り越えるのは、プロになるための必須事項です。

緊張の糸をつなげるために、監視の目を、いい意味で利用するのです。

ヒューマンエラーを防ぐ方法(12)
  • 第三者に見られて、やる気を出す。
ヒューマンエラーは「アナログ」で発生する。

ヒューマンエラーを防ぐ30の方法

  1. ヒューマンエラーは、慣れたときに起こる。
  2. 頭で覚えているささいなことほど、チェックシートを使って確かめる。
  3. 車の助手席に座る人には、確認者としての仕事がある。
  4. 指さし確認・声だし確認を癖にする。
  5. 改善すべきは、人ではなく、プロセス。
  6. 見間違いやすい数字や記号は「使わない」か「ふりがな」で対処する。
  7. キスをすれば、ヒューマンエラーがなくなる?
  8. 精度を求めた「ゆっくり」には、雑談がない。
  9. 集中しなくても、ミスをしないシステムを作る。
  10. きれい事を言う人が、一番きれいな行動をしなければならない。
  11. デジタルな作業を、わざわざ人間が行う必要はない。
  12. プロスポーツ選手は、ファンという監視の目に助けられている。
  13. ヒューマンエラーは「アナログ」で発生する。
  14. ミスをした人にペナルティーを与えない。
    反則した人にペナルティーを与える。
  15. 手順書・約束事は、ヒューマンエラー防止の第一歩。
  16. 他人のミスや失敗は、絶対、あなたのためになる。
  17. 恥ずかしさを捨てなければ、ヒューマンエラーを撲滅できない。
  18. わからないときには、質問する。
    わかったときには、言い換えた内容で質問をする。
  19. ヒヤリハットを見逃すな。
  20. 商用環境では、速度より精度を重視。
  21. 精度を追求する原則を守った結果、作業が速くなるのは問題ない。
  22. 例外を1つも作らない。
  23. そもそも作業をしなければ、ヒューマンエラーが起こることもない。
  24. 「問題が発生したときの方法」より「問題を発生させない方法」を考える。
  25. ヒューマンエラーは、省略したときに起こる。
  26. 疲れてから休憩ではない。
    疲れる前に休憩をする。
  27. 作業中は、電話を取らない。
  28. デスクの上に、不要な物を置かない。
  29. 短期記憶に頼らない。
  30. 「もし」で考える人ほど、未来が開ける。

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