私は作品を書くとき、絶対的に守っているルールがあります。
これは1冊目を書き始めた当初から今まで、ずっとかたくなに守り続けているルールです。
このルールのおかげで、質の高い文章ができているといっても過言ではありません。
この機会に紹介をさせてください。
「中傷をしない。褒めることで話をする」というルールです。
ある話をしたいとき、切り口は重要です。
切り口には、次の2種類が考えられます。
「中傷」という切り口から話を始めるか「褒める」という切り口から話を始めるのか、受ける印象は大きく変わります。
一般的に、中傷や悪口から話を始めるほうが、てっとり早く簡単で、面白いものです。
楽をしたいときには、悪口や批判から話し始めればいい。
どんな人、物、作品にも、必ず欠点はありますから、これほど話題を作る簡単な方法はありません。
また他人の悪口ほど、盛り上がるネタはありません。
しかし、作家として、できても、してはいけないことなのです。
作家のお仕事は、読んでもらう人に元気になってもらうことです。
読者に勇気や元気を与え、行動を励ますお手伝いをすることです。
気分を悪くさせたり、悪事の促進をしたりする仕事では決してありません。
人間関係でもそうですが、誰かの悪口をいうのは、簡単です。
面白く、すぐ注目を集めることができます。
しかし、その代わり、印象が悪くなり、人間関係が悪くなり、最終的には自分で自分を傷つけることになります。
麻薬と同じと思っていいかもしれませんね。
面白くて気持ちよい気分を味わった分、失う代償も大きいのです。
作品を書くときには、必ず「褒める」という切り口から入ることです。
褒めるということは、日常から素晴らしい点を見つけなければなりません。
人の長所を見つけたり、工夫やアイデアを見つけたり、知恵を振り絞る必要があり、なかなか一筋縄でできることではありません。
時間もエネルギーもかかりますが、なくてはならないことなのです。
褒めるという作業には時間も体力も知恵も必要ですが、質のよいコンテンツが出来上がるのです。