アメリカはレディーファーストの社会です。
私はレディーファーストが好きです。
レディーファーストは、する側もされる側も気持ちいいです。
日本では、レディーファーストがあまり浸透していませんが、それに当たる言葉があります。
「お先にどうぞ」です。
レディーファーストとは「譲ること」です。
譲る行為は、余裕を表現しています。
「自分は急いでいない、大したことない、後から追いかけ追いつくことができます」といった余裕なのです。
かっこいいです。
女性だけに限らず、年配者や障害者にも「譲る」という精神を持ちましょう。
芥川龍之介の有名な文学作品に『クモの糸』というのがあります。
主人公は悪人で、死んだ後地獄に落ちてしまいますが、生きているときに1回だけ、クモを助けたことがあります。
お釈迦様は、主人公を1回だけ地獄から引き上げるチャンスをあげようと、天からクモの糸を1本下ろします。
主人公は、地獄から抜け出したいと、一番乗りでクモの糸に飛びつき、這い上がります。
後から、追ってくる人もクモの糸に飛びつきます。
主人公は、クモの糸が切れてはいけないと、足でけ飛ばします。
それを見たお釈迦様は「彼には思いやりがない」と残念に思い、クモの糸を切ってしまいます。
主人公には「譲る」という余裕がなかったのです。
物語の場面は、死んだあの世の話であり、極端な例ですよね。
しかし、極端な例だからこそ、わかりやすいのではないでしょうか。
生きているこの世の世界でも、通じる内容です。
常に「譲る精神」を持ちましょう。
助け合うのです。
そのときには「お先にどうぞ」という一言があれば、さらに印象がよくなります。
余裕のある人は、ずうずうしく自分一人が前に出る人ではなく、相手に譲ることのできる人なのです。