ぱっと名前を思い出せないときに便利なのが「あれ」「それ」です。
年齢を重ねてくると「あれ」「それ」が増えます。
「えっと、なんだっけ、あの人だよ」
「それ、取って。それ、それ」
ぱっと人や物の名前が思い出せず、会話に「あれ」「それ」が目立ち始めるのです。
たしかに指示代名詞は便利です。
実際の会話では「あれ」「それ」で問題なく通じてしまう場面が少なくありません。
固有名詞を使わなくても、会話の前後でわかってもらえることが多い。
長年寄り添う夫婦であれば「あれ」「それ」だけで意味が通じ、会話が成立するでしょう。
「あれ」「それ」は大変便利な言葉で、口癖になっている人も多いのではないでしょうか。
しかし、ここに落とし穴があります。
ぱっと名前が思い出せないからといって、安易に「あれ」「それ」に頼るのは要注意です。
指示代名詞が目立ち始めたら、脳の老化が始まっている証拠です。
人は、楽なほうに流れていきます。
脳は「使わない機能は衰えていく」という特徴があります。
日頃から「あれ」「それ」で済ませていると、思い出す力がますます弱くなり、脳の老化が加速します。
自分の言動を振り返ってみましょう。
「あれ」「それ」が目立っていませんか。
指示代名詞は便利ですが、だからといって頼りすぎないことです。
「あれ」「それ」を言いそうになったら、ぐっと喉で止めて、できるだけ固有名詞を使うようにしましょう。
「あの人」ではなく「○○さん」と、きちんと人の名前で言いましょう。
「それ、取って」ではなく「おしょうゆを取って」と物の名前を言いましょう。
これは意識が必要です。
すぐ言葉が出てこないときは、できるだけ思い出す努力をしてください。
思い出せないからといって最初から諦めるのではなく、少しでも努力をすることが大切です。
なかなか言葉が出なくてももどかしいこともありますが、努力をすることならできるでしょう。
記憶を掘り起こすように集中して、思い出す努力をすることです。
目を閉じると思い出しやすくなるので、良ければ試してみてください。
ちょっとコミュニケーションはぎこちなくなりますが、脳の健康には有効なことです。
状況が許すなら、ネットで調べてみるのも悪くありません。
日頃から固有名詞で答える意識を心がけると、脳の健康にも良いのです。