先日、友人と話をしているとき、言葉に詰まる場面がありました。
「夏が近づいていますね。かりゆしなんてどうですか。ムームーもいいですよね」
たわいない会話かもしれませんが、私は返事に困りました。
「かりゆしとは何だろうか。ムームーの意味がわからない」と思ったのです。
相手はファッションに詳しい人だったので「もちろん知っているよね」という様子でした。
内容もわからないし、興味のない話は、つまらないものです。
いくら相槌を打つのが大切とわかっていても、まったく知らないキーワードには、気持ちを込めて相槌が打てません。
そういうときは、勉強のつもりで聞くのが一番です。
話につくのは、諦めるのです。
「完全に自分はわからない」という立場になり、相手の話を聞かせてもらうのです。
先生と生徒のような立場です。
コミュニケーションとはいえ、相手と対等な立場に立つ必要はありません。
後輩の話や年下の前では、プライドが許さない人もいますが、それではよいコミュニケーションができません。
知らないことに対しては、謙虚な姿勢を見せるのです。
「聞く」というより「聞かせてもらう」という考えです。
勉強のつもりで聞くとなると、まったくついていけない話でも、頭に入ってくるようになります。
かりゆしとは、沖縄で多く着られるアロハシャツと似たシャツのことです。
ムームーとは、ハワイの女性が着る、派手な柄の木綿でできた、ゆったりしたワンピースのことです。
「へえ。なるほど」と思いました。
「勉強」が前提なので、聞こうとする前向きな姿勢に変わります。
まったくついていけない話は、見識を広めるいい機会だと考えましょう。
自分が学ぶ姿勢を持てば、有意義な時間を送れます。