できるのにできないふりをするのが、世渡り上手な人です。
できるのに「できる」と言ってしまうと、もう周りの人は助けてくれなくなります。
「なんだ。できるんだ。じゃあ、教えなくていいね。自分でやってね」となります。
しかし、できるのにもかかわらず、わざと「できないんです。すみません。教えてください」と、時には演じてみることも必要です。
教えてあげることで「ありがとうございました。おかげで助かりました」と言ってもらえると、満足してもらえます。
知らないふりのおかげで、コミュニケーションの機会を作ることができ、お互いの距離を縮める効果もあります。
教えてもらったときには、きちんと「ありがとうございました」と言いましょう。
これさえ言えれば、人付き合いが怖くなくなります。
さらに「○○さんのおかげです」と、自尊心をくすぐる一言も加えましょう。
あなたのことを、かわいがってくれます。
社会では、かわいがってもらえる人が、後から大きくなります。
どれだけかわいがられる人間になるかが、どれだけ世渡り上手な人間になるかに比例しています。
かわいがられるためには、わざとできないふり、知らないふり、わからないふりをすればいいのです。
たとえば、赤ちゃんはとてもかわいいです。
赤ちゃんは、何もできないからかわいいのです。
赤ちゃんが、突然「天は人の上に人をつくらず。人の下に人をつくらず」なんて話し始めたら、驚いてしまいます。
かわいいより「なぜ話すことができるんだ?」と引いてしまうのです。
赤ちゃんは、言葉がまだきちんと話せないから、かわいいのです。
できないから、かわいいのです。
できないから、教えてあげたくなります。
教えてもらえるから、成長できます。
実は、赤ちゃんこそ世渡り上手の達人なのです。
人は成長するにつれて、プライドが出てきます。
「できないと侮辱される。能無しと思われる。そんなのプライドが許さない」
プライドのせいで「助けて」と言えなくなります。
赤ちゃんのころは助けてもらえたのに、大人になるにつれて、助けてもらえなくなります。
赤ちゃんを見習って、できるときでも、できないふりです。
周りの人たちが助けてくれるのです。