就職活動とは、いつ手遅れになるのでしょうか。
実のところ、明確な時期はありません。
たとえ40代や50代でも、本人が「まだ働きたい」と思って就職活動をしていれば、どこかで見つかります。
不採用ばかりで就職活動がうまくいかなければ、一般的に妥協が必要です。
条件が厳しければ、見直す必要もあるでしょう。
希望が多すぎるなら、減らす必要もあるでしょう。
どうすれば、就職活動の奇跡を起こすことができるのか。
たとえば、大企業から内定をもらう奇跡について考えてみます。
大企業への内定は、有名国立大学より狭き門と言われます。
世の中には「働きたくても働けない」という人がいます。
家庭や体の事情などによって、就職活動をしてもなかなか採用が決まらず、仕事ができません。
仕事ができなければ、給料も得られず、生活が悪い状況に落ちていきます。
就職が少々遅れたところで、問題ありません。
長期で見れば、1年や2年遅れるくらいは、誤差の範囲です。
大きな問題ではありません。
面接を受けるときには、自分は「できる人間だ」と思い込むことが大切です。
本当にできる人間かどうかは、関係ありません。
思い込みでいいのです。
あなたはきっと、変わった経験を積んでいるのでしょう。
特殊な考え方や価値観を持っているのでしょう。
そうした素晴らしさを、頭の固い面接官は、理解できませんでした。
あなたは今、困難に直面しているのでしょう。
「困難が大きいから乗り越えられない」と思いますが、本当にそうでしょうか。
困難は悪くありません。
残念な結果を受け止められず、誰かのせいにしたくなるかもしれません。
誰かのせいにすれば「自分は悪くない」と思え、わずかな安心感が得られます。
不採用の苦しみを、少しだけ和らげることができます。
苦労のない就職活動なんて、面白くありません。
あっさり就職が決まると、入社して少し嫌なことがあったとき、あっさり辞めてしまうでしょう。
簡単に手に入ったものは、思い入れも、軽くなりがちです。
「就職がうまくいかなかった。人生が終わった」
そう思うのは、誤解です。
20代の若者が、就職にうまくいかなかったくらいで、人生は終わりません。
就職活動の醍醐味は、悩むことです。
悩まずあっさり就職が決まると「えっ。もう就職活動が終わったの」と思うでしょう。
就職活動をした実感が、ほとんどありません。
就職活動では、ほとんどの場合、何度も不採用を受け取ることになります。
うまくいかないこともたくさんあります。
「仕方ない」と思わないと、肉体的にも精神的にもやってられないでしょう。
「不採用だった」
そう言ったときの表情が大切です。
暗い表情で「不採用だった」と言っていませんか。
就職活動には、お金がかかります。
スーツ代・交通費・パソコン代・通信費。
あっという間に大金が消えてしまうでしょう。
「自分の就職活動がこれほど大変なのは、社会のせいだ。時代のせいだ」
ときどきそんな言葉を耳にします。
たしかに未来に明るい希望を持ちにくい時代かもしれません。
好きな仕事を、見つけることはできます。
選ぶこともできます。
では、好きな仕事を簡単にさせてもらえるかというと、それはまた別問題です。
就職活動対策の本には、さまざまなアドバイスが載っています。
「OB・OG訪問をする」
「企業説明会に出席する」
不採用だから、すべて無駄になったわけではありません。
不採用であっても、不採用に至るまでの一連の経験は、残ります。
一生懸命に情報を収集したり、履歴書を書いたり、面接を受けたりした経験です。
自分をけなしても、いいことはありません。
就職活動がうまくいかない自分に、罵声を浴びせていませんか。
「自分は情けないな」
面接には一応、模範解答が存在します。
誤解しないでほしいのは、あくまで「模範」という点です。
回答例の1つであり、一字一句暗記して、そのまま言えばいいわけではありません。
家に帰ると、面接の結果らしき封筒が届いていました。
どきどきしながら封を開けると、残念ながら、不採用の通知でした。
「社内で検討の結果、残念ながら、今回の採用は見送りさせていただくことになりました」
不採用をもらったときは、やはり落ち込みます。
「自分のどこがいけなかったのだろうか」と悩み、息苦しくなります。
しかし、10年後で考えてみましょう。
「面接に不合格だった」
ときどき「不合格」という言葉を使う人を見かけます。
受験を経験した名残があるためか、うまくいくかどうかを「合格・不合格」で考えることが多いようです。
日本は、およそ420万を越える企業が存在しています。
そのうち、99パーセントが中小企業です。
100社の面接を受けて、すべて不採用だったとしましょう。
「その企業でなければ、できない仕事なのか」と考えてほしい。
希望の企業に採用されなくて、落ち込んでいるのはわかります。
やはり第1志望に採用されたいと思うでしょう。
「もう嫌だ。就職活動なんてやめてしまいたい」
そう思ったときが、勝負です。
自分だけが苦しんでいるように思えますが、そうではありません。
疲れと落ち込みを最高潮に感じている人は、幸せです。
疲れを感じているのは、体を動かして、よく行動した証拠です。
落ち込んでいるのは、無理だという結果のためです。
就職活動がうまくいかず、大学を浪人することになったとします。
いわゆる、就職浪人です。
就職が1年遅れますから、恥や劣等感を抱くかもしれません。
自己分析を通して業界や職種を絞り、自分に合った仕事をするのが正攻法です。
自己分析によって適正がわかり、その結果を手がかりにして、就職先を探します。
しかし、世の中には、自己分析をしても、どの業界や職種にも属さない場合があります。