今は亡き、漫画家の赤塚不二夫さんは、『天才バカボン』の生みの親として有名です。
『おそ松くん』『秘密のアッコちゃん』など、破天荒な物語を題材にした漫画を数多く発表しました。
私は子どものころ、天才バカボンのアニメや本を読んで、大笑いしました。
何に驚いたのかというと、作品はさることながら、描いた人に感動しました。
「よく、こんなばかばかしい発想が思い浮かぶなあ」
「これほど奇想天外な話は、見たことも聞いたこともない」
「作者の頭の中はどうなっているんだろう」
笑いの漫画が描けるということは、普段からそういうことを考えています。
ばかな発想も限度を超えると、むしろ尊敬してしまいます。
1つや2つの笑いネタなら、私たちでもできそうです。
しかし、何千も何万もの笑いネタを発想し、その道一筋で何十年も仕事を続けられるような、膨大なネタの量に感動します。
一流の漫才師のすごいところは、次から次へとネタを切らさないことです。
「一発芸」で出たばかりのお笑い芸人も面白いですが、一発ネタで終わることがしばしばです。
しかし「その道一筋30年」という漫才師には、闘志が感じられます。
なぜ30年もネタが続くのかというと、普段からそういうことばかりを考えているしかありません。
普段から面白いことや楽しいことに敏感になり、そういうことばかりを考えている日常です。
その発想力と継続する力には、敬服の念を抱いてしまいます。
そういう何か1つに打ち込む姿は、かっこいいと感じます。
医者や弁護士という尊敬される職業だけがかっこいいのではありません。
漫画や漫才など笑われるような仕事でさえ、その道にかける本気の情熱があれば、尊敬してしまいます。
大切なことは「その道にかける情熱が現れているかどうか」です。
何か1つ、本気になることです。
褒められることや尊敬されることだけ一生懸命になるのではありません。
その道一筋にかける情熱が感じられると、ジャンルは問わずかっこいい人です。
自分の才能を伸ばして、天命・使命を全うするために一生を捧げる人は、すべて輝いている人なのです。