私はアメリカ留学中に、女性に対して恥ずかしい思いをしたことがあります。
ドアを開けて入るとき、自分から先に入ってしまい、嫌な顔をされたことがありました。
留学を始めてまだ1カ月目のことで、レディーファーストという文化になじみがありませんでした。
「女性を優先させるのは当たり前でしょ」
一緒にいた女性に説教をされて落ち込んだ私は、その後、レディーファーストを徹底的に練習しました。
知るほど、その文化の素晴らしさに気づきました。
レディーファーストとは、ただ女性を優先させるだけの習慣ではありません。
実は女性を大切にしながらも、男性としてもかっこつけられるチャンスです。
この習慣は、どの世界でもかっこよく映ります。
その姿勢から、余裕がにじみ出ているからです。
「私は後からでも平気です。どうぞ先にお入りください」
男性としての器の大きさが感じられます。
私は欧米の恋愛の深さは、このレディーファーストにあるのだと直感しました。
女性を優先させることで女性への尊重が感じられます。
また男性においても、男性らしい余裕を見せられるというよい習慣です。
「なるほど」と思った私は、すぐ練習をして体に染み込ませようとしました。
その後、同じ女性に私がレディーファーストを練習した成果を見せたとき「おや。貴博君。覚えたね」と驚かれました。
女性も嬉しく、男性も嬉しいです。
逆に、威張る男性はかっこ悪い。
男性だからという理由で、ドアを開けて男性から入ろうとするのは、余裕がないからです。
「われ先に」という状態は、余裕が感じられません。
そういう人は、頭の中で「男尊女卑」がまだ残っています。
女性より上だという考えを持っている時点で、余裕のない心が感じられます。
勝ち負けに重点を置き、優劣を明確にしたいと思っています。
かっこいい男性は、負けることができます。
むしろ、自分から負ける役を買って出られます。
余裕があるからです。
レディーファーストとは、女性を優先させることで、余裕をアピールできる素晴らしい習慣です。
「そういう文化ではないから」という人もいます。
たしかにレディーファーストは、主に欧米の習慣です。
たとえば、日本の文化では欧米ほど女性を優先させる文化がありません。
しかし、そういう文化がないからこそチャンスです。
そういう習慣がないから女性を優先させる姿勢があれば、目立ちますし、男らしくなれます。
ほかの人と差をつけやすいです。
欧米以上に輝いて映ることでしょう。
私は、日本でもレディーファーストをやっています。
それで問題になったことはありませんし、喜ばれるばかりなのです。