落ち込んでいる人に対して、禁句があります。
「頑張れ」です。
元気がない人は、すでに頑張っている人です。
頑張りを重ね、それでもできないから、落ち込んでいるのです。
もし逆に「私は頑張っていない。何をしていいかわからないだけ」と思う人がいれば、その悩みに頑張っています。
「ぼうっとしている自分は、このままではいけない。自分が情けない」
そうした自覚があり、ふちから這い上がろうとする気持ちで頭いっぱいの状態になっています。
「頑張っていない」と言いながら、しっかり頑張っているのです。
特に鬱病になっている人に対して「頑張れ」は、禁句です。
鬱になるのは、頑張りすぎたからです。
頑張りすぎて、ヒューズが飛んだ状態が、鬱です。
鬱の人は、自分の限界を超えすぎてしまった人なのです。
その理解を深めましょう。
この「頑張れ」という励ましを軽い気持ちで口にする人がいて、私は横から見ていてはらはらします。
どう元気づけていいかわからないから、ひとまず「頑張って」という決まり文句を言うのです。
これは逆効果です。
言わないほうが、まだいいです。
相手は「頑張れ」と言われて、心の中で「すでに頑張っているよ」と思っています。
「全然自分のことをわかってくれていない」と思い、余計にがっかりさせてしまうのです。
では、どう言えばいいのでしょうか。
気持ちのいい言葉があります。
「もう十分に頑張ったから、少し休もう」です。
私がまだ小学生だったころの話です。
宿題をしようと思っていたときに、親から「宿題をきちんとやりなさい」と言われて一気にやる気をなくしたことがあります。
言われたことは、やりたくなくなります。
同じように「頑張れ」と言われると、気持ちがめげてしまうのです。
そこで、逆を取ります。
「もう十分に頑張ったから、少し休もう」と言うのです。
相手の頑張りを認め、さらに「休もう」と提案してみます。
きっと相手は、心が軽くなることでしょう。
救われた気持ちになり「じゃあ、もう少し頑張ってみようかな」と、前向きになるのです。