少し強引な方法ですが、たしかな効果のある元気づけ方があります。
落ち込んでいる人がいます。
その人は、料理が得意な人です。
そこで私は「目玉焼きの作り方、教えてよ」と、頼みます。
本当は、私は目玉焼きが作れます。
しかし、わざと目玉焼きを作れないふりをして、教えてもらいます。
このとき相手の話に一生懸命耳を傾け、にこにこしながら教えてもらいます。
楽しい雰囲気を醸し出します。
教えてもらったら、最後に笑顔で「ありがとう。おかげで目玉焼きの作り方がわかったよ」と言って、わざとはしゃぎます。
しっかり作れるようになったかどうか、相手の目の前で私が実演して見せます。
私は最初から、目玉焼きが作れるのです。
当然、きれいに作ります。
それを見た相手は「よし、私の教えたことがきちんと伝わっているな」と確認できます。
「自分が人の役に立った」と言うことが、落ち込んでいる人には自信につながっていくのです。
落ち込んでいる人とはいえ、まったく何もできないわけではありません。
目玉焼きなんて、料理の得意な人にはささいなことです。
そんなささいなことでも、誰かの役に立つのです。
落ち込んでいる人ができることや、知っていることを見つけましょう。
すぐ見つかります。
愛媛県出身の人なら、愛媛県の話を聞かせてもらいましょう。
海外旅行をしたことのある人なら、海外旅行のノウハウを教えてもらいましょう。
料理の得意な人なら、料理を教えてもらえばいいのです。
「教える」という行為が、落ち込んでいる人には少しずつですが、自信につながります。
一気に自信をつけてもらうのではなく、少しずつでかまいません。
自分の知識が誰かの役に立っているということは、自分の存在価値を確認できることにつながります。
落ち込んでいる人は、無能ではないことに自分で気づいてもらいましょう。
自分の存在に価値があることを確認できたとき、自然と元気になるのです。