人生を明るく楽しく生きるために必要なことは、落ち込むことです。
「え、落ち込んだら、明るく楽しくなれないよ」と思うのではないでしょうか。
たしかにそのとおりです。
落ち込むことばかりでは、人生明るく楽しいとは言えません。
しかし、適度な落ち込みも、時には必要なことになるのです。
大切なことは、落ち込むことで得られる「精神的な強さ」です。
今の世は、昔と比べてストレスに満ちている世界です。
いろいろなことがデジタルになっていき、人と人との関係も複雑になっています。
昔のように自然に囲まれ、のんびりいうわけにもいかなくなってきました。
そのため、ここ最近は鬱病者が増えています。
私は以前、本のことでたくさんの人からクレームをいただき、落ち込んだことがあります。
落ち込んで、本が書けなくなったこともあります。
しかし、私にとって本を書くことは、好きなことです。
だからまた書き始めました。
それでもやはり、クレームはやってきますが、クレームに強くなりました。
クレームを受けて落ち込みますが、慣れていくのです。
それが精神的に強くなる過程です。
私は「これが大人になっていくということなんだ」とわかりました。
大人になるというのは、体が大きくなったから大人というのではありません。
精神的に落ち着いて、おとなしくなるから、大人になるのです。
「おとなしい」を漢字で書くと「大人しい」と書きます。
落ち着いている人は、みな「大人しい」人です。
大人しい人が、大人らしい人です。
大人はたくさん落ち込んで、落ち込むことに強くなった人です。
精神的に強くなったのです。
プロ野球のイチロー選手は、いつも落ち着いています。
野球の世界は打つ打たれるで、評価が決まります。
メジャーリーグへ進んだイチローは、いまや日本国民1億2500万人の期待を受けていることになります。
そんな日本国民の期待の中で、空振りノーヒットだってあります。
打てなかったことにやじを飛ばされ、相当落ち込むこともあるでしょう。
それでもイチロー選手は、取り乱したりしません。
落ち着いています。
やじを飛ばされ、落ち込むことに慣れたのです。
精神的に強い大人であるということです。
どんどん落ち込みを経験することで、どんどん大人になります。
落ち込めることは、喜ばしいことです。
大人になるためには、落ち込むことは大切なことなのです。