執筆者:水口貴博

勧誘をうまく断る30の方法

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一度ひどい経験をして、バネにする。実際の経験ほど、勉強になることはない。

一度ひどい経験をして、バネにする。実際の経験ほど、勉強になることはない。 | 勧誘をうまく断る30の方法

一度痛い勧誘に引っかかると、その反動で次からは極端に強くなります。

「同じ経験は、二度経験したくない」という意識が、強く働くようになるからです。

私は今、勧誘にとても強い自信があります。

強引な勧誘でさえ、はねのける自信があります。

一度ひどい経験をしたことがあり、おかげで勧誘には厳しくなっているからです。

これには痛くて苦い思い出があります。

本当は思い出したくもありませんが、ちょっとお話しします。

上京してまだ間もないころ、一人暮らしをしていた私の部屋のチャイムが鳴りました。

夜の7時ごろです。

「なんだろう」と思って、気軽にドアを開けたことがまずかった。

今思えば、これがすべての始まりでした。

そこには1人の若いお兄さんが立って、こういうことを話し始めました。

「浄水の調査です。この地区の水は汚れている報告があり、区から浄水器の提案があって訪問しました」

田舎から出てきた私は、たしかに東京の水は汚いという実感はすでにありました。

東京の水は、飲んですぐ「塩素が混ざっているな」と味でわかってしまうほどであり、肌もかさかさに荒れていました。

そのせいもあって、彼の言葉をそのまま信じてしまいました。

それも「この地区の水は大変汚れている」という言葉にぴんと反応してしまい、つい、彼を部屋の中に入れてしまいました。

最も情けない私の失敗の1つです。

当然、ここから彼の営業トークが始まったのです。

情けない話です。

当然のごとく、水が汚れているという話から始まり、いつの間にか浄水器の販売の話になっていました。

「月々4,000円程度で、ご利用いただけます」と言われ「それくらいなら、まあいいか」と思いました。

しかし、実際は月々4,000円支払いのローンだったのです。

計40万という数字を見てもぴんと来なくて、彼がうまく月々4,000円を強調したため、そのことばかりが頭を回っていました。

プロの営業は、話し方や話の乗せ方といい、自然でうまい。

あとあとこのときの経験から、プロの話術には気をつけるようになりました。

ほかの人も、話に乗せられるのではないかと思います。

気づけば、たった1つの浄水器だけのために、8年間もの長いローン地獄に陥るありさまになっていたのです。

契約を交わした後、後日これはまずいと気づいた私は、いろいろ調べてクーリングオフ制度というものを利用しようとしました。

これがまた運が悪いことに、当時ちょうどゴールデンウィーク中で私は実家に帰っており、手元に契約書がありません。

詳細を伝えるためには、契約書を見る必要があるのですが、契約書は東京のアパートにおいてきたまま。

しかし、私は実家に帰っている。

そのうえ、クーリングオフを手続きしている機関もゴールデンウィークでお休みでした。

そんなタイミングの悪さがちょうど重なり、クーリングオフが有効である8日間を過ぎてしまったのです。

この痛い思い出は、今思い出しても、悔しくて泣きそうになります。

それからです。

私は極端に勧誘には冷たくなり、どれもこれもとにかく完全にはねのけるようになりました。

ささいな勧誘でさえも、目も合わせず話も一切聞きません。

勧誘で話しかけられるたびに「あのときの出来事」を思い出し、怒りがよみがえってくるからです。

金銭的にも精神的にも大きな痛みを一度経験すれば、それをバネにして、その後がらりと変わるということがあります。

「後悔しても終わったことは仕方ない。授業料だと思おう」

そう考えるようにして、今はそのときの経験を生かす形にしています。

勧誘で、一度ひどい経験をするのも悪くはありません。

本からの知識ではなく、貴重な体験を通してその痛みを知ると、大きな勉強になるのです。

勧誘をうまく断る方法(12)
  • 一度ひどい経験をして、バネにする。
チャイムが鳴って、すぐドアを開けてはいけない。

勧誘をうまく断る30の方法

  1. うまく断ろうとするから断れない。
    下手に断ろうとすると断れる。
  2. うまく断ろうとすればするほど、言葉に詰まる。
  3. 嫌われたくないから断れないだけ。
  4. 誘いをうまく断れる人ほど、嫌われてもいいと考えている。
  5. 余分な言葉は、余計な一言。
  6. はじめの印象が、最も肝心。
  7. 目を合わせないほうが、うまく断れる。
  8. 口下手な人は、無視で誘いを断ればいい。
    話す必要などない。
  9. 街角の勧誘には、足を止めないこと。
  10. 町でもらえるチラシやティッシュには、手を出さないこと。
  11. 自意識過剰は自分だけ。
    みんな、あなたのことは気にしていない。
  12. 一度ひどい経験をして、バネにする。
    実際の経験ほど、勉強になることはない。
  13. チャイムが鳴って、すぐドアを開けてはいけない。
  14. 一人暮らしが間もないころは、誘いを断る免疫が弱くなっている。
  15. 長年の一人暮らしを経験している人は、人一倍誘いに強い。
  16. 言いにくい言葉を、他人を通して伝える。
  17. 話しかけられても、振り向いてはいけない。
  18. YESともNOとも答えてはいけない。
    「興味がない」で十分。
  19. とにかく相手にしないこと。
    相手にすると、火に油を注ぐことになる。
  20. 断れば関係が終わる人とは、早く終わらせたほうがいい。
  21. 会うから断りにくくなる。
    会わずして断ることができればいい。
  22. 嫌われることが、正しい道のときもある。
  23. 断るときに見る顔は、他人の顔色ではなく、自分の顔色。
  24. 「自分らしい生き方をしたいから」という理由で断る。
  25. 気が進まないなと思ったときには、断ったほうがいい。
  26. 「自分の道を進む力」とは「断る力」である。
  27. やめるなら、できるだけ早く行動することがポイント。
  28. 自由を手に入れるために断ろう。
  29. 人一倍誘惑に弱い人は、誘惑の多い場所へ行かなければいい。
  30. たくさんのNOの中に、ようやく見つけたYESがある。

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