「これ余り物だけど、よかったら差し上げましょうか」
ときどきこうした親切な言葉をかけてくれる人がいます。
悪意を持って話しかけているわけではなく、あなたを思ってわざわざ話しかけてくれていることには感謝をしましょう。
しかし、ちょっと待ってください。
親切に話しかけてくれるからとはいえ、何でもハイハイと言ってはいけません。
ここでも「本当に自分に必要な物かどうか」をあらためて考えてみることが大切です。
「いらない物だから、いりますか」ということは、あくまでも受動的です。
自分が必要としているから、手に入れようとしているわけではありません。
他人がいらなくなったごみを、あなたにバトンタッチして受け取っているのです。
本当に自分が求めている必要な物なら、もらってもかまいません。
しかし、必要もないのに、相手の気分を悪くさせてはいけないという心から、受け取ることに問題があるのです。
整理整頓のためには、そもそもいらない物はもたないことです。
必要のないものも、受け取らないことが重要です。
意外なことかもしれませんが、整理整頓ができない人は断る勇気のない人です。
相手に悪いなと思い、断れないからとりあえずもらうことになり、ごみがまた1つ増え、整理の手間が増えるのです。
それでいて断れないくらいの人ですから、人からもらったものは余計に捨てられないのです。
「せっかくもらったものだから捨てられない……」
そういう思いが強く、もらったものは自分が買ったもの以上に捨てられない地獄にはまるのです。
「ごめんなさい。いりません」という一言が言えないために、ごみをもらうことになっていることに気づくことです。
先ほども言いましたが、整理整頓は根底から改善していかなければなりません。
どんなにきれいに整理ができるようになったところで、いらない物を整理できても意味はないのです。
整理整頓のためには、まず人からもらわないことです。
もらうことは、自分が欲しいと思って手に入れることではありません。
それに対して買うことは、能動的です。
「必要だから買う」という意思があるから「買う」という行動に出るのです。
自分で買ったものは、必要という前提があるだけによく使います。
受動的にもらったものより、必要だから買ったもののほうが、大活躍をするのです。