マナーの悪い人は、食事中はうるさい一方、変なところでは静かになります。
「静か」というより「こそこそ」です。
たとえば、街なかで偶然に知り合いを見つけたときです。
普通に話しかければいいものを、変なことを考えます。
「そっと近づいて驚かせてやろう」と考えるのです。
なぜそこで驚かせる必要があるのかわかりません。
ばれないようにそっと近づくのは、気持ちのいい行動ではありません。
幽霊のような不気味さがあります。
自分の気配を消して近づけることが、すごいことだと勘違いしています。
気配を消すことが必要なのは、寝ている人を起こさないような場合に限ってです。
それ以外は、あまりに気配を消しすぎるのもよくない。
実際は気配を消して近づいてくるほど、怖いものはありません。
幽霊がなぜ気持ち悪いのかというと、気配が感じられないからです。
音もなく近づいてくるから、不気味で、気持ち悪く感じます。
用事があれば、普通に話しかければいいのです。
また、携帯電話でメールをしている人がいれば、また変なことを考え始めます。
「どんな文章なのかな。後ろからのぞいてやろう」と思い、そっと近づいて、ちらちらのぞき始めるのです。
これは感じが悪い。
しかも幽霊に負けず劣らず気持ち悪い。
のぞかれるだけでも気持ち悪いのに、後ろからじろじろのぞかれるのは鳥肌ものです。
携帯電話のメールの内容を、許可なくのぞくのはプライベートの侵害に値します。
プライベートなことは「見たくても見ない。見えても見ない」というのがマナーなのです。