不安や緊張を感じたときに出る汗を「精神性発汗」といいます。
特に「手のひら」と「足の裏」は汗をかきやすいと思いませんか。
ささいなストレスを感じただけで、手のひらがびしょびしょになるくらい汗が出ることも、不思議ではありません。
これほどたくさんの汗が出ると「何かの病気ではないのか」と不安になりますよね。
いいえ、大丈夫です。
決して病気ではありません。
もともと人間の「手のひら」と「足の裏」は、よく汗をかくのです。
では、ここで素朴な疑問が湧きます。
なぜ精神的ストレスを感じたとき「手のひら」と「足の裏」に限って、よく汗をかくのでしょうか。
それは、人がまだ原始人だったころの名残があるためです。
猿人だったころ、今日の食料を獲得するため、武器を持って獲物を追いかけていました。
またあるときは、敵から逃げるために、必死に走りました。
このとき、足の裏と手のひらが重要でした。
武器を持って走るとき、手足がつるつる滑っては、仕事になりません。
命にも関わります。
手のひらや足の裏に汗をかくことで摩擦を作り、滑りにくい状況を作っていたのです。
そうした昔からの名残が体に残っているため、手のひらと足の裏は、よく汗をかくのです。
決して病気ではありません。
ただし、汗をよくかきやすいのが病気ではないとはいえ、汗によって汚れてにおいやすくなるのは、事実です。
トイレから出るときは、手をこまめに洗いましょう。
バスタイムでは、足の裏の隅々まで、きれいに洗いましょう。
手や足をしっかり洗うことで、においは抑えられるのです。