執筆者:水口貴博

ビジネスチャンスをつかむ30の方法

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自社ビルを建てた会社は、倒産する。

自社ビルを建てた会社は、倒産する。 | ビジネスチャンスをつかむ30の方法

世の中の景気がよくなり、経営も軌道に乗ったときに、経営者は間違いを犯しやすくなります。

見栄を張って、自社ビルを建てようとします。

「うちの会社は自社ビルです」という一言を言いたいために、少し思い切って購入しようとします。

借りるのはかっこ悪いので、自社のビルを建てて、法人としての強さをアピールしようとします。

しかし、夢を壊すようですが、不動産業界では次のような有名なジンクスがあります。

「自社ビルを建てた会社は、倒産する」

経営者にとって、心に留めておきたい格言です。

当然ですが、自社ビルを購入するのは膨大な費用がかかります。

銀行からお金を借りて長期のローンを組み、長い期間、高額のローンを返済し続けなければいけません。

たとえば、20年にも及ぶ長いローンを組んだとしましょう。

景気がいいときは、毎月の返済に苦労はしません。

しかし、いつまでも好景気が続くわけではありません。

景気には波があり、いいときもあれば、悪いときもあります。

いえ、好景気の後こそ、注意が必要です。

以前は飛ぶように売れた商品やサービスも、ほんの数年後には、まったく相手にされなくなるケースは珍しくありません。

景気がいいときを基準にしたからいけません。

数年後に景気が悪くなったときに、やってくるであろう景気の悪化に対応できなくなり、経営が苦しくなります。

本来、景気が悪くなれば、不況を乗り越える対策の1つとして、家賃の安い事務所に移動します。

もちろん立地条件も職場環境も悪くなりますが、倒産に比べればはるかにましです。

そのほかにも生産量を抑えたり、原材料を変更したりなど、調整をします。

賢い経営者は、こうして不況を乗り越えます。

しかし、自社ビルは不動産です。

一度建ててしまえば、移動することができません。

世の中のあらゆる経営状況に、対応できなくなります。

どんなに景気が悪くなっても、毎月のローンだけは、支払いをしなければならない。

毎月のローンの支払いに経営が押されてしまい、最悪、つぶれてしまいます。

「私は経営者じゃない。こんな話は自分には関係ない」

ちょっと待ってください。

ここからが肝心です。

「ビル」という単位は、たしかに一般のかたには規模の大きすぎる話です。

しかし「賃貸部屋と自社ビル」という言葉を「アパートと一戸建て」という言葉に言い換えましょう。

言葉は違っていても、言わんとしているのは同じです。

さて、言い換えて説明しますが、私たち一般市民でも、同じような過ちをしてしまいます。

世の中の景気がよくなり、収入も軌道に乗ったときに、見栄を張って「一戸建て」を購入しようとします。

「アパート暮らしは嫌なので、一戸建てを持ちたい」という心理と同じです。

「一国一城のあるじになり、ビッグになろう」

「一戸建てを持って、初めて一人前」

「自分だけの城を建てる」

こういう宣伝に踊らされます。

景気がいいとき調子に乗って、不動産を購入してしまいます。

その後の行く末は、先の自社ビルと同じ運命です。

「景気がいいとき」を基準に考えているから、後に失敗します。

景気がいいときは返済ができても、不況がやってきたときに返済ができなくなり、家計がぼろぼろになります。

自社ビルも一戸建ても、建てるのではなく、借ります。

見栄で購入を決断するのは、賢い行動ではありません。

諸行無常。

さまざまな変化に対応できるように、建てるのではなく、借りるのが最も融通が利くのです。

ビジネスチャンスをつかむ方法(27)
  • 景気がいいときを基準に考えるのは、やめる。
自分が顧客になり、感動を体験する。

ビジネスチャンスをつかむ30の方法

ビジネスチャンスをつかむ30の方法
  1. ビジネスで目上の人と親しくなりたいなら、まず貢献から始めること。
    ビジネスで目上の人と親しくなりたいなら、まず貢献から始めること。
  2. お金に対して、悪い印象を持たない。
    お金に対して、悪い印象を持たない。
  3. 逃げたい場所に、チャンスがある。
    逃げたい場所に、チャンスがある。
  4. 時代の流れを読むと、ビジネスチャンスをつかみやすくなる。
    時代の流れを読むと、ビジネスチャンスをつかみやすくなる。
  5. 個性を生かして、ビジネスにつなげる。
    個性を生かして、ビジネスにつなげる。
  6. 感じた時代の流れを、好きなことと絡めて考える。
    感じた時代の流れを、好きなことと絡めて考える。
  7. 感じた時代の流れを、好きな得意技と絡めて考える。
    感じた時代の流れを、好きな得意技と絡めて考える。
  8. 世の中が向かっている方向を知れば、未来は容易に予想できる。
    世の中が向かっている方向を知れば、未来は容易に予想できる。
  9. 今、人気が出ているものは、必ず何か理由がある。
    今、人気が出ているものは、必ず何か理由がある。
  10. ビジネスは、人の心が動かしている。<br>人の心を動かせば、ビジネスが動き始める。
    ビジネスは、人の心が動かしている。
    人の心を動かせば、ビジネスが動き始める。
  11. チップは、サービスを受ける前に払うほうがいい。
    チップは、サービスを受ける前に払うほうがいい。
  12. 1人が解決した知恵は、みんなに役立つ解決策になる。
    1人が解決した知恵は、みんなに役立つ解決策になる。
  13. 「失敗しないように」と思うほど、逆に失敗しやすくなる。
    「失敗しないように」と思うほど、逆に失敗しやすくなる。
  14. 小さな声で口にした言葉には、ビジネスチャンスが詰まっている。
    小さな声で口にした言葉には、ビジネスチャンスが詰まっている。
  15. 身軽でなければ、突然のチャンスはつかめない。
    身軽でなければ、突然のチャンスはつかめない。
  16. ファーストムーバーが、トップシェアを握る。
    ファーストムーバーが、トップシェアを握る。
  17. ビジネスでは、デザイン重視より、機能性重視。
    ビジネスでは、デザイン重視より、機能性重視。
  18. 理想的な勝ち方は「WIN&LOSE」ではなく「WIN&WIN」。
    理想的な勝ち方は「WIN&LOSE」ではなく「WIN&WIN」。
  19. 自分の特徴を伸ばして、自分にしかできない分野を作る。
    自分の特徴を伸ばして、自分にしかできない分野を作る。
  20. 誰より早く行動できる人が、最も大きな金を手に入れることができる。
    誰より早く行動できる人が、最も大きな金を手に入れることができる。
  21. 宝を掘り当てるより、宝の地図を販売する。
    宝を掘り当てるより、宝の地図を販売する。
  22. 初体験を求める人が、ビジネスチャンスをつかむ。
    初体験を求める人が、ビジネスチャンスをつかむ。
  23. 本当のビジネスチャンスは、本には書いていない。
    本当のビジネスチャンスは、本には書いていない。
  24. 人間関係がいい人は、お礼を3回言う。
    人間関係がいい人は、お礼を3回言う。
  25. 便利な物を組み合わせると、もっと便利な物が誕生する。
    便利な物を組み合わせると、もっと便利な物が誕生する。
  26. ビジネスをレンタルから始めると、成功しやすくなる。
    ビジネスをレンタルから始めると、成功しやすくなる。
  27. 自社ビルを建てた会社は、倒産する。
    自社ビルを建てた会社は、倒産する。
  28. 自分が顧客になり、感動を体験する。
    自分が顧客になり、感動を体験する。
  29. 歴史の本は、最高のビジネス書だった。
    歴史の本は、最高のビジネス書だった。
  30. ビジネスは、モノポリーゲーム。
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