犬はおもちゃに興味を抱いていると、いつまでも噛みつづけ、離さないことがあります。
おもちゃを無理に取ろうとすると、余計に噛んで離さなくなります。
また、口にしているものを離してもらいたいのは、おもちゃをくわえているときだけではありません。
散歩中、道端に落ちている物をうっかり口にしたとき、危険なのですぐ吐き出させたいこともあるでしょう。
飼い主が「やめなさい」と言っても、犬が興味を示して口にしたものだけあり、なかなか吐き出してくれないことがあります。
無理に吐き出させようとした結果、逆に飲み込ませてしまうこともあります。
こうしたときに必要となるしつけがあります。
「離せ」です。
飼い主が指示すると同時に、口にしているものを離せば、万が一、口にしてはいけないものをくわえてもすぐ吐き出させられます。
では、どうすれば「離せ」をしつけることができるのでしょうか。
次のステップの流れでしつけていきましょう。
まず、犬が日頃からよく噛んでいるおもちゃなどを、わざとそばに置きます。
飲み込むことがないよう、大きめのおもちゃがいいでしょう。
興味を持ってくわえたと同時に「離せ」という指示を出します。
このとき「やめなさい」や「ダメ」という言い方でもいいですが、あえて「離せ」のほうがいいでしょう。
「やめなさい」や「ダメ」という言い方は、ほかのしつけの場面で頻繁に登場する言葉なので、意味が混乱する恐れがあります。
口にしたものを吐き出すときには「離せ」で統一したほうが、犬は混乱しなくてすみます。
さて「離せ」と言っても、おそらく素直に離してくれないことでしょう。
ここで伝家の宝刀が登場です。
ご褒美を犬の目の前に差し出します。
すると、犬はおもちゃよりご褒美に興味を示し、くわえているおもちゃを離してくれるはずです。
そのとき、頭をなでながら褒めてあげます。
ご褒美があれば、おいしそうなお菓子のため、くわえているおもちゃはすぐ離してくれます。
しかし、ご褒美がなければできないのではよくありません。
最終的には、ご褒美がなくても「離せ」という指示に従えるよう、何度も訓練です。
これを繰り返しながら「離せ」を覚えさせていきましょう。