犬の性格によっては、お手入れを嫌がる場合があります。
なでたり、触られたりするのを嫌がる場合もあります。
大きな悪さをしているわけでもないので「まあ、ほうっておいてもいいだろう」と思いますが、そうでもありません。
犬を飼っていると、お手入れをしなければならないときがあります。
足先のケアのため、爪切りをする必要があります。
歯磨きのため、犬の口元を触ることもあります。
グルーミングで、体中をブラッシングすることもあるでしょう。
散歩中に体が汚れれば、水で洗うこともあるはずです。
なにより、動物を育てていくうえでお世話になるのは、動物病院です。
定期検診や体調不良で、何度もお世話になるに違いありません。
診断のときは、耳やしっぽなど犬が嫌がるところを触らなければいけない状況があります。
そういうとき、さらわれるのを嫌がって病院で暴れられると、獣医師も正しい診断や処置がしにくくなります。
日頃からある程度、触れられることになれるのも大切なしつけです。
では、どうすれば触れられることに慣れる必要があるのでしょうか。
次の3ステップで慣れさせていきましょう。
最初は、頭や背中など、犬が喜ぶところからグルーミングを始めましょう。
優しくなでてあげると「気持ちいいな」と思い、次第に慣れます。
犬が気持ちよく感じる背中あたりを、ゆっくり優しくグルーミングしていけば、触れられることに次第に慣れます。
体の血行をよくするので、犬の健康にもつながります。
頭や背中などに慣れていけば、足先から次第に触れていく体の部分へと、範囲を広げていきます。
触り方も、優しく触れるような「タッチ」を心がけましょう。
最後のステップは、嫌がる部分を触られるのに慣れることです。
口元・耳・しっぽなどです。
初めは驚くようなしぐさを見せるでしょう。
「今まで飼い主は優しく接してくれた」という思い出や飼い主との信頼関係があれば、きっと心を開いて触らせてくれるはずです。
しっぽは、毛並みに沿って優しく触ります。
口元は、少し手が汚れますが、歯磨きのときには触る必要がある部分です。
もちろん慣れさせるとはいえ、あまり長時間触り続けないようにしましょう。
「頭や背中 → 足先 → 口元・耳・しっぽ」
このように、触られるのに抵抗の小さいところから大きいところへと、段階を踏んでいくイメージです。
ゆっくり段階を踏んでいけば、犬も自然と慣れていき、嫌がらなくなります。
爪切りも歯磨きもグルーミングも嫌がることはなくなり、行儀のいい犬へと成長することでしょう。