猫を飼っていると、家の中のものを爪で引っかいて困らせられることがあります。
爪で、ソファーを引っかいたり、木の柱を引っかいたりなどです。
この悩みを持っていない飼い主を捜すほうが難しいかもしれません。
猫はほぼ毎日、何かで爪を研ごうとするはずです。
ここで1つ疑問です。
そもそも、なぜ猫は爪で引っかく習性があるのでしょうか。
それは伸びる爪を研いでいます。
そもそも爪は何もしなくても伸びます。
人間でも、1週間ほどほうっておけば、いくぶん伸びていることに気づきます。
1カ月もほうっておこうものなら、伸びた爪が気になり始めることでしょう。
子どもが、伸びた爪が気になり、噛んで短く削りたくなろうとしているしぐさと同じです。
猫がソファーや柱を引っかくのは、そばで見れば、引っかいて悪さをしているように見えます。
でも、本当は「爪を研いでいる」のです。
伸びた爪を柱などで引っかいて、爪を短く削っています。
爪切り器を使って、自分で切るわけにはいかないので、そうせざるを得ない。
「爪のケアをしている」と言えばいいでしょう。
猫に家具などを引っかいてもらいたくなければ、飼い主は爪を定期的に切ってあげましょう。
自然と伸びる爪は、切ってあげないと伸び続けます。
ただし爪の付け根には血管と神経が通っているので、そこには触れないように注意しましょう。
また、猫の寝床の近くに、爪研ぎ器を置いておくのもいいアイデアです。
爪研ぎ器で爪を研いでくれれば、飼い主の手間も少なくなります。
爪が短くなれば、手の違和感が小さくなり、引っかくトラブルは減るはずです。
ただし例外があって、爪は伸びていなくても「習慣」として引っかく場合があります。
また単にストレス発散として引っかく場合も多いようです。
その場合、あらかじめ引っかきやすい家具を保護テープで覆ったり、爪研ぎ器を置いたりしておけばいいでしょう。
猫の立場になることが大切です。
ちなみに余談ですが、ネズミが柱を噛むのも同じ理由です。
ただしネズミの場合は、爪ではなく、歯が伸びます。
伸びた歯を削ろうとするため、柱をかじって歯を削ろうとしています。
「なぜそういう習性があるのか」という理由がわかれば、対策も見えてきますね。
結果には必ず原因があります。
原因をつぶせば、より良い結果が得られるのです。