「みんなのために仕事をする」
素晴らしい心がけです。
仕事をするからには「みんなのため」を考えたいところでしょう。
「みんなのため」と思えば、やる気が出てきて、モチベーションも高まります。
みんなの役に立てば、多くの人から感謝されるでしょう。
多くの人に受け入れられれば、それだけ評価も高まることでしょう。
全体の利益を考えることは、善です。
公共性・社会性を考えることは、社会貢献につながります。
自分の仕事がみんなの役に立てば、社会人として冥利に尽きるはずです。
しかし、ここに注意ポイントがあります。
みんなのために仕事をすると、意外な現実が待ち受けているでしょう。
「誰の役にも立たない可能性がある」ということです。
みんなのために仕事をするとどうなるか。
ターゲットが不明確になります。
いろんな人の事情を考慮しなければいけません。
いろんな人の顔が浮かんで、それぞれの好みや価値観を考慮しなければいけなくなります。
人によって相反する価値観を持つことも少なくありません。
すべての人に受け入れてもらえる解を見いだすのは大変です。
すべての人に歓迎されるものでなければいけません。
言うのは簡単でも、行うのは困難です。
理想的なことではありますが、最初からそれを求めるのは大変です。
いろんな人の都合を考えていると、何をどうしていいかわからず、頭を抱えることになります。
「どうすればいいのだろう」と延々と迷い続けることになります。
いろんな人の顔を浮かんで、何も決められなくなってしまいます。
みんなのために仕事をすると、中途半端なものが出来上がります。
完成度が低いものは、質も価値も低くなります。
魅力が乏しいと、みんなからそっぽを向かれます。
ターゲットが不明確だと、誰の心にも突き刺さりません。
「これは何の意味があるの? 何の役に立つの? 誰が利用するの?」と不可解に思われます。
みんなのためは、誰のためにもならないのです。
迷わない生き方をしたいなら、1人のために仕事をすることです。
1人のために仕事をすると、ターゲットが明確になります。
その1人のことだけを考えればいいので、考えが楽になります。
年齢や好みが明確になると、迷いが消えます。
具体的な形が見えてきて、やるべきことが見えてきます。
何をいつどうすればいいか、わかってきます。
「こうすればいい」と自信を持ってアクションを起こせます。
ターゲットを明確にしてください。
ターゲットとなる1人は誰でもかまいません。
親でもいい。
恋人でもいい。
親友でもかまいません。
最初は1人のために仕事をすることです。
「1人のために仕事をすれば、1人の役にしか立たない」
そんな心配は不要です。
ここに意外な現実があります。
1人のために仕事をしていると、具体的な形になります。
具体的な形になると、魅力的になり、完成度も高くなります。
完成度が高いと、必ず「本質」が含まれるようになります。
ターゲット以外の人たちにも突き刺さり、価値を感じてもらえるようになります。
「これは素晴らしいね」と好意的に受け止めてもらえます。
自然と口コミが生まれ、どんどん拡散していきます。
1人のために仕事をすると、結果として、みんなのためになるのです。
みんなのためは、誰のためにもなりません。
1人のためは、みんなのためになります。
これが現実です。
表向きは「みんなのため」としていても、実際は「1人のため」とすることです。
公共性・社会性を意識することも大切ですが、最初は必ず「1人」を意識することが大切です。